こんにちは、Shin(@Speedque01)です。「分裂勘違い君劇場」というモンスターブログの著者であるふろむだ氏の処女作「人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている」を引き続きまとめていきます。
ブログに負けず劣らず濃く、本質的な内容が書いてある本です。
「一般的なビジネス書にはもう飽きた」という方も、ぜひ手にとってみて欲しいです。
前回の記事はこちら。
今回ご紹介するのは、話題の「信用」という概念についてのふろむだ氏の主張です。
今まで、ビジネスをはじめるときは銀行や親族からお金を借りて、それを元手にすることが一般的でした。
しかし、テクノロジーの発展により、不特定多数の人からお金を集められる仕組みが整いました。
それがクラウドファンディングです。
打ち出の小槌のようにお金が湧き出てくるもののように言われることもありますが、そこまで簡単なものではないということも事実です。
自分の実力や人柄をしっかりとアピールし、周りの人から「信用」してもらう必要があります。
クラウドファンディングはわかりやすい例ですが、今後は「信用」が大事になるのです。
上記のような言説は、「成功者の典型的な欺瞞の1つ」であり、このようなことを言っている成功者には十分注意すべき、とふろむだ氏は述べています。
それはなぜでしょうか。
成功したのは「信用」ではなく「錯覚資産」を持っていたから
ここで、成功者は、実力も人柄も、ハロー効果で強烈に底上げされていることを思い出そう。
ハロー効果が強烈に効いているから、人々は、「あいつの作ったものは、面白いに違いない」って思うし、「あいつなら、ちゃんとやり遂げる」って思うのだ。
つまり、成功者の場合、実際には、「信用」と呼ばれるもののうち、かなりの部分が、錯覚資産なのだ。
錯覚資産の大きい人は、立派な人なのだろうか? 尊敬できる人なの だろうか?
否。
「錯覚資産」というのは、褒められるようなものでも、誇れるようなものでもない。
それは人の判断を誤らせる、空虚なハリボテだ。
錯覚資産のことを「信用」だと言いつくろう人は、「人の判断を誤らせる、空虚なハリボテ」に「信用」というラベルを貼って、「立派なもの、尊敬に値するもの」に偽装して、人々から尊敬を得ようとしているのだ。
控えめに言って、卑劣だ。
ふろむだ氏らしい、ばっさりとした論調ですね。
しかし、冷静に読み返してみると、いわゆる「インフルエンサー」的な人々に感じる違和感が見事に言語化されていることに気づけると思います。
ハロー効果については、今回紹介しているよりも前の章で解説されています。
「ハロー効果」の「ハロー(halo)」とは、あいさつではなく、後光のこと。なにか一点が優れていると、後光がさして、なにもかもが優れて見えちゃうような錯覚、というわけだ。
ついては、今回紹介しているよりも前の章で解説されています。
いわゆる「成功者」は、過去の実績によってハロー効果の恩恵を受けることができています。
- テレビで有名になった
- 過去に大規模なクラウドファンディングを成功させた
- 独立して月に数百万円稼げた
- ブログでのPVが100万を超えている
これらの実績があることによって、他の人は「この人は優秀だ」「信頼できるに違いない」「今回もうまくやってくれるだろう」と思います。
これは、前の記事で紹介した「錯覚資産(自分にとって都合の良い勘違い)」に過ぎないのです。
それを「自分自身の人柄や実力 = 信用」と言い換えてアピールすることが、「卑劣だ」とふろむだ氏は述べています。
ぼく自身も、この錯覚資産を活用していることは否定できません。
本を出版していたり、ブログが読まれていたり、外資系コンサルティングファームに勤めていたり、490名超が参加しているオンラインコミュニティを運営していることは、適宜活用しています。
ただ、それを「自分自身が有能であるから」「自分自身が立派な人柄があるから」と言い換えるのは、確かに卑劣ですよね。
しかし、です。
ふろむだ氏は、錯覚資産を使うことを否定しているわけではありません。
むしろ、「人生を好転させたいなら錯覚資産を活用しなければならない」と述べているのです。
「錯覚資産」なしには人生を切り開くことはできない
思考の錯覚は、自覚できない。だから、錯覚資産は、目に見えない武器となる。
「レーダーに映らない」という特性が、ステルス戦闘機を極めて優秀な兵器にしているように、「自覚できない」という特性が、錯覚資産を、極めて優秀な武器にしているのだ。
錯覚資産は、いわばギュゲスの指輪(そうなりたいときに人から見えない体になれる魔法の指輪。つまり、悪事をしても決して露見しないようになれる魔法の指輪)なのだ。
だから、この世界では、誰もが錯覚資産という武器を駆使して、万人の万人に対する闘争を繰り広げている。
もちろん、自分だけは、できるだけ錯覚資産を使わずに生きていくのもいい。しかし、それをするなら、人生がうまくいかなくなることを覚悟しなければならない。
正義のヒーロー、デビルマンも、悪魔の力を身につけなければ、悪魔に対抗できなかった。
誰もが錯覚資産という悪魔の力を駆使しているこの世界では、錯覚資産なしには、自分の人生の活路を切り開くことはできないのだ。
ぼくは、仕事ができずに苦しんでいるときは「とにかく実力をつけなければ」と思っていました。
一生懸命勉強をしましたし、夜遅くまで残業をしました。
そのときの努力で、実力がついたことは確かでしょう。
しかし、それよりも重要なことがあったのです。
実力よりもむしろ、「この人は優秀である、信頼できる」と思わせる「錯覚資産」の運用方法の巧拙で、人生が好転するか否かが決まってしまうのです。
錯覚資産が、ある意味詐欺的な香りがすることは否定できません。
ふろむだ氏も、そのことは認めています。
しかし、同時に錯覚資産が強力な武器であることも確かなのです。
錯覚資産をどのように作るか、どのように増やすか。
他の人が活用している錯覚資産をどのように見抜き、どう評価するか。
これは、人生において大変重要なポイントなのです。
「錯覚資産」の具体的な運用方法を学びたい人はぜひ読もう。
非常に本質的で、「どのように人生を好転させるか」をとことんリアルに書いてあるのが本書です。
とおりいっぺんの成功法則とはまったく味わいが違います。
錯覚資産について真剣に学び、人生を好転させてみたいと感じる方はぜひお読みくださいね。