企業戦略に大きな効力をもたらすための3つの十分条件

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こんにちは、Shin(@Speedque01)です。企業戦略に関する名著といえば、元マッキンゼーの波頭氏が著した「戦略策定概論」です。

出版日はなんと1995年。20年以上も前に書かれた本なのですが、戦略の本質に切り込んでおり、いつまでも古びることはないのではないか、と思います。

複数回に分けて、こちらの内容を紹介していきたいと思います。

波頭氏は、戦略を「競合優位性を活用して、定められた目的を継続的に達成し得る整合的な施策群のまとまり」と定義し、論を進めていきます。

「むずかしい!」と思われるかもしれませんが、非常に丁寧に解説されているので、しっかりと読めればついていけます。

今回は、「企業戦略に大きな効力をもたらすための3つの十分条件」について紹介していきます。

整合性(Integrated)

必要条件の項で戦略とは目的を達成するための具体的施策群である事を述べたが、策定された戦略が大きな効力を持つためには、その戦略が包含する個々の具体的施策が全体として一貫した狙いやポリシーによって調和的に束ねられている事が重要である。

逆に言うと、ひとつひとつの施策は全て戦略目的に対して合目的的であり有効性を期待できるものであったとしても、個々の施策の性質が相反していたり同時には成立しないものであれば、戦略の有効性は疑わしくなる。

例えば、「収益性の向上」という目的に対し、生産部門が部材の材質を落とす等の施策を通じて徹底的なコストダウンを図る事を行おうとしている時に、営業部門が大きなマージンを確保する事ができる高級顧客層を重点的に開拓するという施策を打ち出したのでは、これら二つの施策は極めてちぐはぐで成果には結びつかない。

いわゆる「企業理念」というものが重要視される理由は、この整合性を担保するためではないか、とぼくは考えています。

いくらいろいろな施策を作っていっても、それらが単発でお互いに関連性がない場合、あまり効果的ではありません。

効果的ではないどころか、お互いに悪い影響を及ぼしあって、「そもそも何もしないほうが良かったのではないか・・・」という状況になることも珍しくはないのです。

波頭氏が「収益性の向上」を例に出しています。

「こんなアホなことあるはずないだろう」と思う方もいるかもしれませんが、実際の現場ではこれよりもひどい例がたくさんあります。

部署間の情報共有ができていなかったり、

情報共有が出来ていても結び付けて考える人がいなかったり、

そもそも企業の方向性が明確でないので単発施策しか出せなかったり、

要因はさまざまですが、整合性が取れていない事態は珍しくはないのです。

優位性(Advantages)

戦略が自社の強み、競合に対して有利な点を最大限に活用したものであれば、その戦略の有効性は大幅に高まる。競合には真似の出来ない要素が差別化の源泉になっていれば、構造的競合優位性を構築する事ができ、市場におけるイニシアチヴを一手に握ることも可能になる。

戦略の代替案を発想したり複数の代替案の評価をしたりする際には、競合にはない自社のみの強さが活かされているかどうかという事を重要視すべきである。

この事は一歩進めて応用すると、自社の弱みを強みに転化させるという発想にもつながる。一般にトップ企業は人材も資金力もブランドもコスト競争力も全ての面において二位以下の企業に優越していることが多い。

従って二位以下の企業は通常のチャレンジだけでは、単純には良い案は出て来ないものである。そこで自社の弱みを強みに転化させるような、あるいはトップ企業の強みを弱点に変えてしまうような戦略を狙ってみる事が有効になってくる。

「競合と比較したときの優位性を見つけろ」というのは、みなさんも耳にたこができるほど聞かされていることだと思います。

ここで重要なのは、「自社の弱みを強みに転化させる」という発想です。

過去に”「Fラン大学生」が人生を好転させるための方法を考えてみた”という記事を書いていますが、これは「弱みを強みに転化させる」の例です。

どんな物事も、視点を変えれば弱みにも強みにもなりえます。

これを念頭に置いた上で、優位性を考えていく必要があるのです。

真正面からぶつかっていっても、業界のトッププレイヤーに勝つことはできないのですから。

波頭氏は、具体例としてミノルタの自動焦点一眼レフカメラや、大塚製薬のオロナミンCを具体例として説明していますが、これも非常にわかりやすいです。

後発だからこそ、思い切った戦略を打ち出すことが出来、ビッグプレイヤーをひっくり返した好例ですね。

持続性(Sustainably)

戦略目的の達成が持続的に実現するのでなければ良い戦略とは認められない。

前項で説明した自社に固有の強みを活用するという事にも通じるが、一度立案された戦略をその効果の<持続性>の観点から評価してみることは極めて重要である。

有効性が持続的でない戦略を実行してしまう事は、その結果として貴重な経営資源を浪費してしまったり競合との相対的ポジションをかえって悪化させてしまったりする事につながってしまうことも少なくないからである。

企業は、みなさんが想像している以上に近視眼的な戦略をとります。

  • とりあえず今年度の売り上げ目標を達成しよう
  • うちの部署の至上命題はコストダウンだ。とにかく一番大きく費用を使っているところを削ろう

そこには長期的なビジョンも、会社の方針に基づいた持続的な利益の確保もありません。

目先の金をなんとか刈り取らないといけない、そういう想いが強すぎてまったく持続性がない戦略を実行してしまう会社は非常に多いのです。

「周りがやっているから」「売上げが上がりそうだから」でそれっぽいものに飛びついてしまうと、今までのビジネスで培ってきた資金や人材、ビジネスモデルという大事なものを代償とせざるを得なくなってしまうのです。

それは果たして持続可能なのか?10年続く戦略となっているのか?

という視点で、戦略をレビューすることは不可欠でしょう。

戦略策定についてはまず「戦略策定概論」を読もう。

紛れもない一流コンサルタントの波頭氏が、その豊富な知識と経験をもとに著した「戦略策定概論」。

こんな情報の宝庫を数千円で手に入れられるとは・・・と感激しました。

「本は人類最大の発明である」といわれることもありますが、まさにそうですね。

波頭氏という一流のコンサルタントから戦略を学びたい方は、ぜひ手にとってみてください。

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