もっと早く、もっと楽しく、仕事の成果をあげる法

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こんにちは、Shin(@Speedque01)です。コンサルタントとして働いている期間がだんだん長くなってきましたが、まだまだ大先輩たちには全然かないません。

少しでも追いつくためにできることはいろいろありますが、そのうちのひとつは「本を読んで実践してみること」です。ということで、ボストンコンサルティンググループ(以下BCG)の伝説のコンサルタントである古谷昇さんの「もっと早く、もっと楽しく、仕事の成果をあげる法」を読んでみました。

著者:古谷昇氏とは

まず、著者の古谷氏の紹介をします。

1956年、東京都生まれ。

1981年、東京大学工学部卒業(計数工学修士)。1987年、スタンフォード大院経営工学修士(MS)。1981年、ボストンコンサルティンググループ(BCG)入社。1991年、同社ヴァイス・プレジデント就任。同社シニア・ヴァイス・プレジデントを経て、2000年、株式会社ドリームインキュベータ(DI)設立、代表取締役に就任。

BCG時代は、医薬、エンターテイメント、消費財、自動車をはじめ、さまざまな分野で、新規事業戦略、営業・マーケティング戦略、研究開発戦略といった数々の戦略策定及び実行を支援。DIでは、大企業に対して技術シーズの事業化や組織戦略を手がける一方、ベンチャー企業に対して上場支援等を行う。

初期のBCGのメンバーであり、その後スタンフォードに留学、ドリームインキュベータの代表取締役と、まさに日本のコンサルティング業界の第一線をリードしてきた方です。その割に著書は少ないのですが、そのキレのよさは伝説級の方です。

もっと早く、もっと楽しく、仕事の成果をあげる法」は古谷さんの数少ない著書のひとつです。非常に平易な語り口ながら、語られていることは本質的。とても勉強になる本でした。では、下記で内容を紹介していきます。

最強のビジネスマン = 「融通無碍の姿勢」を取れること

最強のビジネスマンになるには、強みや弱みにさえこだわらない融通無碍の姿勢がふさわしい。

②コンサルタントになって、さらに③マネジャー、④オフィサーに進もうとする時期から、私は一貫してこの構えでやってきた。

仕事はテクニックでなくコツで覚えよ、汎用性のあるノウハウを身につけよ、上司や先輩のアドバイスは無視しろ、真面目で努力家は伸びない・・・、私がここまで書いてきたことの源流は、つまるところこれである。

「強みを伸ばせ」「弱みを改善しろ」等々いろいろなアドバイスを受けることがありますが、そんなことにはこだわるなと古谷氏は述べます。そうではなく、融通無碍 = 即物的なアドバイスやTipsに逃げることなく、少ないノウハウでそれを汎用的につかいこなす姿勢が大事だとのことです。

なので、古谷氏からのアドバイスは非常に簡潔です。「抽象的」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、仕事で苦労してきて、その後仕事について考え続けてきたぼくにとって、これは非常に納得感のある意見でした。いくら細かいノウハウを身に着けても、それを自由自在に操れるレベルに達さなければ意味がない。それよりも、本質的でかつ汎用的につかえる「コツ」だけを身に着けて、それをベースに仕事をしていくほうが上達が早いのです。

この本では、その「コツ」について具体的に記されています。

仕事の「目のつけ方」 = 課題がわかれば問題は解決したも同じ

いったん正しく課題を設定できたら、もう問題は解決したも同じなのである。

手馴れたコンサルタントは、このことをよく知っている。

手法をあれこれ考えることよりも、正しい課題設定を。彼らは、仕事のどこに目をつけるか一つで、その後の展開がガラッと変わってしまうことを、経験上から熟知しているのだ。

だから、とりあえずお客さんにいわれたことに沿って仕事を進めながらも、同時にそれだけではなく、ほんとうに有効な正しい課題設定はどういうものなのかを真剣に考えたり調べたりするほうに、むしろ多くの時間を割いたりする。

そして正しい課題設定ができたら、今度はそれをなるべく古典的な手法で解決していく。

コンサルタントは誰もが驚くような斬新な解決策を提案するもの、と思われていますが、実はそうではありません。もちろん、その業界やテクノロジー上の知見から新たな策を提示することがないではないですが、圧倒的に多いのは事実の積み上げから明確に課題を特定し、そこに古典的な解決策を当てることです。

ぼくは自分自身でも経験があります。一番お客様に感謝されたのは、最終的な提案そのものよりも、むしろ現状の分析とそうなってしまっている課題を、いろいろな角度から特定できたことでした。提案自体ももちろん前向きに受け入れていただきましたが、それは現状の課題をしっかりと特定できていたからではないかと思います。

奇抜な打ち手に走る前に、現状の分析と課題の特定をせよ、という古谷氏の言葉は響きます。

素人とプロの決定的な差

最初はプロジェクト運営のプロと素人の決定的な違いから。

これは次の質問を一つしてみるだけで判断できる。

ーあなたは、プロジェクト運営の成否はいかにしてきちんとした計画を立てるかで決まると考えますか?

きちんとした計画で決まると答えた方。はい、あなたはまだ素人ですね。

計画にはあまりこだわらないと答えた方。あなたは少なくとも素人じゃありません。

プロジェクト運営にトラブルはつきものである。

私がこれまで経験した何百本かのプロジェクトの中で、順調に進んだものは一本としてなかった。

プロジェクトには必ず何らかのトラブルが起こる。これは最初から動かし難い前提なのだ。

したがって、プロジェクト運営がうまい人とは、どんなトラブルがありそうか、どんなところにトラブルがあるかというのを「予見できる人」。または、予見できなくても、トラブルが起きたときにそれを「ハンドルできる人」。このいずれか、あるいは両方の資質を備えている人のことである。

ぼくは新人の頃、プロジェクトの状況や前提がころころ変わったり、日々なんらかのトラブルが起きることにいつもストレスを抱えていました。「これ、前と全然ちがうじゃん!」と思い悩み、いつも鬱々としていました。環境の変化に弱かったのですね。

実は、プロジェクトを運営していく中で前提条件が変わるのは当然だし、トラブルは日常茶飯事です。むしろトラブルなく進むことのほうが珍しい。これをしっかり理解して、トラブルを最小限にする策を常に打てるか、トラブルが起きたときに余裕を持って対処できるか。これがプロジェクト運営のプロと素人の差だと古谷氏は述べます。

ぼくもまだまだわたわたすることが多いのですが、プロジェクト運営のプロを目指して余裕を持った対応をできるようになりたいですね。

社会人経験をある程度積んだ人や、管理職にオススメ

もっと早く、もっと楽しく、仕事の成果をあげる法」は非常にシンプルで読みやすい本なのですが、学生さんや新人の人が読んでも「?」となってしまう可能性が高いです。逆に、ある程度経験を積んだ人や、管理職でいろいろと四苦八苦されている人には「わかる!!!」となるでしょう。

仕事が本当にできる人というのはどういう思考回路をしているのか、しっかりと学びたい人にもオススメの本です。コンサルティングというのは何なのか、イメージをつかみたい人にもオススメの一冊です。