こんにちは、Shin(@Speedque01)です。IoT(Internet of Things)についてはいろいろな議論がありますが、具体的なケースを見ていくのが一番早いのではないかと考えています。
今回は、インドに本社を置くITコンサルティング会社であるHappiest Mind社のホワイトペーパーをベースに、スマートパーキングについてみていきます。
下記の図は、スマートパーキングのフローの全体像になります。

スマートパーキングのプロセスが、非常にわかりやすく解説されています。
こちらについて、ひとつずつ見ていきましょう。
センサーが近隣の対象車両をチェック、データベースに連携
駐車場の入り口には、1キロ平方メートルをカバーできるセンサーが取り付けられています。
センサーは、インターネットを介してスマートパーキングシステム全体をコントロールしているデータベースと接続し、
どのような車が何台ぐらい近くにいるのかを知らせます。
この情報はリアルタイムに更新され、今後の混み具合の確認ができます。
駐車場の空き状況がドライバーに通知
逆に、駐車場からドライバーへの連携もされます。
今の空き状況がどの程度か、どこの場所が駐車可能なのか、
スマートフォンのアプリや道に接しているパネルを介してわかるようになっています。
ドライバーは、空いている駐車場を探してぐるぐる動き回り続ける必要がなくなるのです。
この情報もデータベースに連携されており、一日の空き状況や平均駐車時間等も自動的に算出できるようになっています。
駐車場代金の支払いが自動化
今までであれば、駐車をした際もしくは出庫する際に代金を支払う必要がありました。
しかし、スマートパーキングであれば、自動引き落としがアプリケーションを介して実施することができます。
もしアプリをインストールしていないのにも関わらず駐車している場合は、すぐにその情報も連携され、
どの車が違法駐車をしているか特定されます。
最初から最後までキャッシュレスで駐車ができ、ごまかすことも難しいスキームですね。
以上、非常にシンプルですがわかりやすい、スマートパーキングの具体例でした。
スマートパーキングの9つのベネフィット
では、このスマートパーキングにはどのような利益(ベネフィット)があるのでしょうか。
Happiest Mind社は、下記の9つに分けています。
- 車両占有率を正確に予測し、リアルタイムでトラックすることができる
- 駐車場利用者に、ストレスなく空きスペースを案内できる
- 駐車スペースを最適化する
- 駐車場での作業をシンプルにして、より必要な作業やエンターテイメントに集中できるようにする
- 都市の渋滞や混雑の解消に貢献する
- リアルタイムステータスアプリや履歴分析レポートを活用し、データをもとにした意思決定ができる
- CO2やその他の汚染物質の排出を削減することで、より良い都市環境に貢献する
- 利用可能な駐車スペースのより良いリアルタイム監視と管理が可能になり、収益の大幅な増加をもたらす
- 労働力管理を最適化できる
せっかくの旅行やショッピングなのに、いつまでも駐車場が見つからないのはかなりのストレスです。
空いていそうな駐車場を見つけても、結局入れずまた次の駐車場を見つけないといけない、
そういう状況も少なくありません。
そうなってしまっては、楽しいお出かけも台無しです。
それだけではなく、駐車場オーナー側の収益向上や、都市全体の混雑の改善、環境問題への貢献等、メリットは目白押しです。
アプリやデバイスの標準化、セキュリティ上の問題など解決すべき課題はありますが、
非常に面白く、実現可能性も高いIoTソリューションの一つだといえるのではないでしょうか。
日本でも、NTTドコモがスマートパーキングソリューションに取り組んでいますね。
ドコモは、駐車場事業者向けのB2B2Cソリューションとして、2016年6月より本システムの実証実験を行ってまいりました。
本システムは、車の入出庫を感知するIoT機器「スマートパーキングセンサー」、センサーとサーバーをつなぐ「ゲートウェイ」、クラウド上の「駐車場管理サーバー」およびドライバーが駐車場利用時に使用する専用アプリ「Smart Parking Peasy(ピージー、以下、Peasy)」の4つから構成されます。
これまでの駐車場は、集客に適した見通しの良い大通りの広い土地に優先的に開発されていたため、数が限られ、都心部での駐車場が不足しておりました。
本システムは、IoT技術の活用による低コストと設備敷設の容易さを特長としていることから、駐車場事業者は、狭い土地や、大通りに面していない土地や、これまで月極駐車場として運営されていた土地の、時間貸し駐車場としての利活用が可能となり、都心部の駐車場の増加が見込めます。
駐車場事業者をサポートするための駐車場運営に必要なコンタクトセンターや駐車場の保守サービスは、提携先である株式会社プレステージ・インターナショナルより提供いたします。これにより、駐車場事業者は、用地の開拓や駐車料金の設計等の事業運営に専念することが可能となります。
これからの発展が非常に楽しみな分野ですね。