IIoTソリューションプロバイダとして成功するための4つの取り組み

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こんにちは、Shinです。

今日は「IIoT(Industrial IoT)」について考えていこうと思います。

IIoTは、産業分野におけるIoT活用、もしくはそこで使われるシステムのことを指します。

《Industrial Internet of Things》産業分野におけるIoT産業機械・装置・システムなどがインターネットを通じてつながることによって実現するサービスやビジネスモデル、またはそれを可能とする技術の総称。製造業の生産効率・安全性の向上、サプライチェーンの最適化などを目的とする。産業IoTインダストリアルIoT

(引用:コトバンク)

とはいわれても、具体的にどのようなものなのか、どのようにビジネスに適用されるのか、これだけではなかなか理解ができません。

グローバルコンサルティングファームであるアクセンチュアが、「Industrial Internet of Thingsが実現する新たな成長」と題したペーパーを出しているので、これを読み解きながらIIoTについて理解していきましょう。

IIoTのメリットはオペレーションの効率化だけではない

コトバンクの定義にもあったとおり、IIoTのメリットとして最初にあげられるのは、オペレーションの効率化です。

IIoT の主なメリットとしては、まずオペレーションの効率化が挙げられ、アーリーアダ プターは共通してこの点を重視しています。

たとえば、自動化やよりフレキシブルな製造技術を取り入れることで、メーカーは生産性をおよそ30%改善できました 。

また、工場でのオペレーションに関するデータや各機器の状況を集約し、分析することで、予測保全も可能です。

今までは「壊れてから修理する」というのが普通でしたが、IoTおよびアナリティクス技術によって、

事前に壊れそうな機器を特定し、壊れる前に修理ができる、という活動です。

その他の注目すべきメリットとして、資産の予測保全が挙げられます。予測保全によって定期修理を最大12%、保守費用を最大30%、故障を最大70%、それぞれ減らせると言われています。

たとえば英国の水供給処理最大手テムズ・ウォーターでは、センサーやアナリティクス、リアルタイム・データの活用により設備故障を先読みすることで、漏水や悪天候といった危機的状況へのより迅速な対応を実現しています。

「オペレーションの改善」「予測保全」の二つは、コスト削減にフォーカスしたメリットになります。

さらに、ビジネスを考えるときに必要なもう一つの観点である、収益化についてもメリットがあります。

特に、工場で使われる機器やシステムを提供するメーカーにとってのメリットを考えてみることが大事です。

IIoTは、産業機器メーカーにも大きな可能性をもたらします。

メーカーはIIoTを活用して新たなデジタル製品/サービスを市場に投入することで、まったく新しい収入源を生み出し、売上と利益の両方を改善することができます。

産業機器のオーナーやユーザーにとっても、IIoTは収益改善のまたとない機会をもたらします。

たとえば、ダウンタイム(運転停止時間)を極力低減し、工場やプラントの操業停止を防ぎ、生産量の拡大を図ることが可能です。

石油化学製品メーカーなら、予測保全によって不要な操業停止を事前に回避することができるでしょう。

石油/ガス採掘・生産大手の米アパッチ・コーポレーションはIIoTの活用により、陸海上の油ポンプの故障を予測し、生産量の低下を最小限に抑えています。

同社幹部らの試算では、世界の石油産業がポンプ・パフォーマンスを1%改善するだけで、1日の石油生産量が50万バレル増え、業界の年間収益は合計190億ドル拡大します。

鉱業でも、採掘作業中に硬岩に当たった場合に直ちに鉱石分析を行うことで、これまでよりもずっと短い時間で作業を再開することが可能になりました。

産業機器メーカーやオートメーションプロバイダーにとっては、IIoTは非常に大きなビジネスチャンスです。

しかし、同時に「システムを売る」「機器を売る」というのが通用しなくなってくるともいえます。

自社のIIoTシステムを導入することで、どのようなメリットがあるのか定量的に示すことができなければ、

なかなか買ってもらえない状況になってしまう、と考えられます。

アクセンチュアのペーパーでは、上記に引用したアパッチ・コーポレーションのほかにも、ゼネラル・エレクトリック社(GE)の航空機エンジン保全事業や、ミシュラン社の燃料消費量およびコストの削減支援サービス/走行距離ベースでのタイヤ使用料支払いサービスについて記載されています。

ケーススタディを読むとわかりますが、「こういう製品を売っています」という紹介のされ方はされておらず、

「お客様にどういうメリットがあるのか」を定量的に示すことができています。

IIoT事業に参入するのであれば、この観点は必須だといえるでしょう。

IIoTソリューションプロバイダとして成功するための4つの取り組み

もう少し具体的に見ていきましょう。

アクセンチュアのペーパーでは、IIoTソリューションプロバイダとして成功するためには、以下の4つの取り組みが必要とされています。

  1. 新たな視点で顧客価値を考える
  2. 最も価値のある情報提供者になる
  3. パートナーとの機器データの共有を促進する
  4. サービスを製品の R&Dと捉える

ひとつずつ見ていきましょう。

新たな視点で顧客価値を考える

先述のミシュラン社と、ダイムラー社を例に説明されています。

ミシュラン社は燃料消費量を削減するためのアナリティクスサービス、

ダイムラー社は従量課金制のシェアリングサービスを提供しています。

他にもドイツの365FarmNetの例が紹介されています。

ここはあまりまだ体系化されておらず、「こういう例もあるよ」という紹介にとどまっている印象があります。

個人的には、IIoTビジネスにはパフォーマンスベースの課金が一番ユーザフレンドリーで伸びが速いのではないか、と思っています。

提供するIIoTソリューションによるコスト削減や、売上向上の数%をもらう、という形のビジネスですね。

KPIを明示的に設定することができ、課金も自動的にできるのであれば、

ビジネスのオペレーティングコストもかかりませんし、顧客満足度も高いまま推移させることができるでしょう。

最も価値のある情報提供者になる

製品を販売しても、顧客は故障時や問題発生時にしかメーカーとのコンタクトを持とうとはしません。

しかしサービスを販売すれば、顧客とのタッチポイントを作り、そこから信頼関係や顧客ロイヤルティを築くことが可能です。

メーカーにとって情報サービスは、より顧客が求める製品を提供するためのひとつのツールとなり得ます。

ただしサービスが、企業とその顧客の間にライバルが入り込む余地を与えることもあります。

たとえば、放射線機器メーカーでなくてもX線解析サービスを提供することは可能です。X線解析サービスが顧客にとって極めて価値のあるサービスになれば、放射線機器そのものよりも重要度は増します。

その結果、サービス・プロバイダーが製品の購入意思決定に影響を及ぼすことになるでしょう。

だからこそ、最も価値のある情報提供者、顧客がビジネスを営む上で真っ先に頼る外部の情報源となることが大切なのです。

IIoTを用いたアナリティクスサービスを提供するに当たって、必然的に顧客とのコミュニケーションが増えます。

今までのワンショット販売の場合、「売ったら終わり」となるので、売ったあとに顧客との接点を持つことは多くないです。

あるとしたら、システムの使い方がわからなかったり、故障したときのカスタマーサポート対応になるでしょう。いずれにせよ、そこで劇的に関係性がよくなることはあまりありません。

ソリューション提供の場合は、日常的に顧客の課題をヒアリングし、それをシステムに落とし込んでいく必要があり、

自然とアップセルが起こることもあります。

そのためにも、日々の情報提供や対応が重要なポイントとなります。

パートナーとの機器データの共有を促進する

ハイブリッド・サービスの概念は、機器のオーナーやユーザーにも応用できます。

産業機器がデータを生成し、ユーザーがそのデータをサプライチェーン内でデジタル・サービスの一環として提供することにより、生産性を向上させるハイブリッド・サービスのツールになります。

とはいえ企業の多くは、業務に関する情報をパートナーと共有することには、たとえ生産性の向上につながると分かっていても否定的になりがちです。

もちろん企業は、価値ある情報の共有には慎重である必要があります。しかしIIoTを活用すれば、サプライチェーン全体とそこでのプロセスを今まで以上に適切に管理できます。

IIoTソリューションを提供するときに良く議論されるのが、「データの所有権」です。

一義的にはデータを生成している機器の持ち主であるユーザに所有権がある、とされますが、

それをソリューションプロバイダーに提供しないと、アナリティクスソリューションの提供ができなくなります。

「社内の情報を社外に出すなどまかりならん」というのが一般的な考え方なのかもしれませんが、

データを活用したコスト削減や売上向上、顧客体験の最大化を考えるのであれば、

その縛りをいったんはずして、他のステークホルダとの情報共有を進める必要がありますね。

サービスを製品のR&Dと捉える

テクノロジー大手企業の多くが気付いているように、ハイブリッド・サービスのプロバイダーは革新的な製品を開発することなく、より迅速に、より低コストで、代替品を提供しています。

なぜなら、ハイブリッド・サービスのプロバイダーは、新たなサービスの開発や市場投入を「実験」できるからです。

実験することで、顧客が情報ベースの機能をどのように活用しているか、どのようなニーズを持っているかを見極めているのです。

クラウドベースのIIoTサービスが始まれば、ハイブリッド・サービスのプロバイダーは直ちにそのサービスを試し、顧客にとって最大の価値を見極めて、顧客が望む通りのハイブリッド・サービスへと改善します。

それにより顧客のニーズに対する理解を一層深め、サービスの販売を通じて学んだことを生かして、IIoT用に次世代の製品を開発するのです。

個人的にこの考え方は非常に好きです。

製品売り切り型のビジネスモデルだと、「完成形」を販売しなければならないという圧力がかかってきます。

しかし、IIoTのソリューションベースのモデルだと、いったん導入して稼動させ、顧客からのフィードバックやデータ分析によって、どんどんバージョンアップさせることができます。

もちろん、社内での試験が必要となるのは間違いないですが、今までよりフットワーク軽く製品を出し続け、顧客を引き寄せ続けることができるのです。

ぼくは任天堂の「スプラトゥーン2」というゲームが大変好きなのですが、このゲームも日常的に大小のアップデートがなされており、購入当時に比べてより魅力的なサービスになっています。

かつてのゲームだと、一回買ったらそれがアップデートされることはありませんでした。

これは、「サービスをR&Dとして捉える」の好例といえるかもしれません。

IIoTビジネスを冷静に捉えてみよう

「IIoT」という言葉を聴くと、どうしても「理解がむずかしい最新テクノロジーだ!」と構えてしまいますが、

具体的に、かつ構造化して考えてみれば、そこまで理解が難しいものではありません。

アクセンチュアのレポートは非常に読みやすく、具体例も豊富でオススメです。

IIoTについて理解したい人は、ぜひ読んでみてくださいね。

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