「未来に先回りする思考法」感想。先を見通すために必要なこととは。

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こんにちは、Shin(@Speedque01)です。佐藤航陽氏のビジネス書「未来に先回りする思考法」を読了しました。

「未来に先回りする思考法」は、新進気鋭のベンチャー企業「メタップス」の代表取締役である佐藤航陽氏のビジネス書です。

アマゾンでの内容紹介は下記になります。

「実際に空を飛ぶ機械が、数学者と機械工の協力と不断の努力によって発明されるまでには、百万年から一万年かかるだろう」

ニューヨークタイムズにこのような社説が載ったのは、ライト兄弟が人類で初めて空を飛ぶわずか数週間前のことでした。

今に生きる私たちも、この話を笑うことはできないでしょう。

iPhoneが発売されたとき「赤外線がないなんて流行らない」「おサイフケータイが使えないなんて不便」と多くの人が言っていたことを、

Facebookが日本に進出したとき、「実名性のSNSは日本人の気質には合わないので普及しない」と多くの「知識人」が言っていたことを、私たちは都合よく忘れています。

人間は本来、未来を見誤るものなのです。

しかし、そんな中でもごくわずかな人は驚くほどの先見性を発揮して大きな成果を上げています。その違いは人々の「思考法」にあります。

本書では、株式会社メタップス代表取締役社長の佐藤航陽が自身の体験から培った「どんな状況にあっても未来を見通せる汎用的な思考体系」を、読者のみなさまにお伝えします。

佐藤氏の豊富なビジネス経験から来る「未来を見通す思考」の一端を覗ける、非常にお得な本でした。また、現在起こりつつあるテクノロジーに関する事象についての理解を深めることもできますので、AIやビッグデータ、IoTなどのワードに興味がある方にはよりおすすめです。

では、中身の紹介をしていきます。

あらゆる物体に知性が宿る

IoT(インターネットオブシングス:モノのインターネット)によって、身の回りのあらゆる物体がネットにつながるようになってきています。そして、そこから収集した大量の非定型データ(ビッグデータ)がクラウド上に保存され、それを人工知能(AI)がパターン化する、ということが言われています。

なんとなくわかるようなわからないようなそんな話ですが、佐藤氏はこの流れを「あらゆる物体が知性を持つ」と簡潔に表現してくれています。

知性の発達のプロセスには、4つの段階が存在します。

  1. 膨大な情報を蓄積する
  2. 蓄積された情報から人間が手動で改善につなげる
  3. 蓄積された情報から人間がパターンを抽出し、そのパターンをシステムに検知させ改善につなげる
  4. パターン認識そのものから改善のための判断まですべてシステムが行う

単にモノがインターネットにつながっただけでは、それは情報収集のためのデバイスにしかすぎず、①~③を担うのみです。しかしクラウド化されたAIが④までこなせるようになれば、それはもはや「知性」と呼ぶことができます。

こうしてネットにつながって情報を送受信するセンサーにすぎなかった物体は、自律的に学習して行動する、知性を持ったコンピュータに変化していくでしょう。

今まで私たちは、1の「膨大な情報を蓄積する」ことすらできていなかったのです。スマートフォンの普及によりインターネットにつながれているデバイスの数が爆発的に増え、さらにセンサー技術の発達で多くの物体が情報を収集できるようになったのです。それらの大量の情報を分析して改善につなげるということが、徐々に出来てきたのがまさに今です。1から3は、なんとなく見えてきたといえるでしょう。

しかしながら、まだ4の「パターン認識そのものから改善のための判断まですべてシステムが行う」までは行きつけていない。もちろんある程度のレベルの自動化やパターン認識はできているとは思いますが、完全にほったらかしでマシンが賢くなるレベルにまでは到達できていないのです。

もしこの段階4までいったとしたら、想像以上に多くの仕事が機械に代替されることになるでしょう。コンサルティング関連でも、リサーチや単純な分析はもはやAI任せでよく、人間のコンサルタントはインサイト出しやクライアントとのヒアリングに注力できるようになるかもしれません。早くそのような仕組みを作りたいな。

あらゆるものは無料に近づく

情報もモノもどんどん価格が下がっている現在。それは決して「価値が下がった」というわけではなく、単純に「生産コストが下がった」という帰結なのです。なぜそのような事象が起こっているのか、佐藤氏は明快に解説します。

理論上はネット上に限らず、あらゆるサービスは価格競争の末、無料に近づいていく運命にあります。無料にすること自体をマーケティングの一部としたり、他のビジネスと複合させトータルで利益を出したりと、その方法は様々です。 たとえば、Googleのように様々なサービスを無料で提供するモデルは、無料でユーザーを集めて、AdWordsという広告でマネタイズしています。AndroidのOSも、後から広告収入によって回収可能だからこそ、無料で配布できるのです。

また、IT以外の複製コストがかかる分野であっても、それ以上のリターンが見込まれるなら、理論上は無料になりえます。Googleなどの一部企業は、社員食堂が無料です。これは、こうした福利厚生によって優秀な人を採用するコストが、求人広告など採用活動に投じるコストよりも安く、費用対効果がよいからです。 最終的には、衣食住といった生活に必要なものすらも、コスト以上のリターンを得られると企業が判断すれば、無料に近づけていくことが可能です。

たとえば、Spiberという日本企業は強度の高い蜘蛛の糸の繊維を人工的に生産する技術を開発しています。こうした技術を活用して耐久性の高い服を低コストで生産できるようになれば衣服を捨てる必要がなくなり、将来的には衣服さえも無料になるかもしれません。

特に汎用性の高いサービスやモノの価格は、その複製のしやすさゆえにどんどん価格が下がっていきます。みなさんも、「こんないいモノ・情報がタダで手に入るの!?」と驚かれた経験はございませんでしょうか。その頻度は、最近どんどん高まっていると思います。

本当にコアなところ以外はすべてマーケティングの一手段として無料化してしまう、というある意味ドラスティックな戦略も、現在は珍しくありません。逆に、旧態依然とした価格決定をし続けていると、すぐに淘汰される運命にあるとも言えるでしょう。

ぼく自身もオンラインコミュニティ「Players」を主催していますが、費用は月額980円、一日当たり32円ちょっとという価格付けにしています。この値段は「Playersの価値が低いから」ではなく、「Playersを運営するコスト的に充分にペイするから」という理由になります。

  • マーケティングはTwitterやブログ
  • 普段の活動はFacebook
  • 課金手段はPaypal

と、トラディショナルなビジネスと比べたらほとんどお金はかかりません。そういう意味では、ぼくが実施していることもこの無料化の波に乗っているのかもしれませんね。

評論家になるな、実践家たれ

未来を見通す思考法について余すところなくシェアをしてくださる佐藤氏。読者に向けた最後のメッセージとはいったいなんだったのでしょうか。

現代は「行動する人」が多くを得る時代です。

情報と資本の流動性が高まった現代において、かつて100年かけて起こっていた変化は、3年で起こるようになりました。かつての成功パターンは、すぐ時代遅れの古いものになってしまいます。 知識は、得た瞬間に陳腐化をはじめます。また、知識を詰め込んで記憶することの価値も、ネットのおかげでどんどん薄れています。

これからの時代を生き残るためには、変化の風向きを読み、先回りする感覚が常に必要です。そして、その方法は検索しても出てきません。 変化を察知し、誰よりも早く新しい世の中のパターンを認識して、現実への最適化を繰り返しましょう。

そのために必要なのは行動すること、行動を通して現実を理解することだけです。

勉強だけして知識を詰め込んでも、他人を上から目線で批判しても、その先には何もありません。現時点での常識が、明日には通用しなくなることはもはや珍しいことでもなんでもないのです。

ではどのように先を見通し、変化をかぎつけていけばいいのか。佐藤氏は「行動して現実を理解すること」と述べています。

自分自身で実践をし、その正誤を常に見定めて改善し、パターン化していく。その流れを体得しない限り、どのような知識を入れても身を結ぶ可能性は低いといえます。

まずは行動する。結局はそこなのかもしれませんね。

 

 

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