「革命のファンファーレ」感想。新時代のビジネスセオリーが凝縮されている一冊だった。

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こんにちは、Shin(@Speedque01)です。キンコン西野氏のビジネス書「革命のファンファーレ」を読了しました。

西野氏はもはや「芸人」という枠を飛び越えた活躍をされています。一見突飛なやり方をされているように見えるものの、その背後には冷徹なロジックと計算、そしてそれを完遂する情熱があるのです。

そんな彼の最新作が「革命のファンファーレ」です。論理だけではなく、西野氏が実際にやってきたことがベースになっており、非常に説得力がありました。

Amazonでの紹介文は下記の通りです。シンプルにまとまっていますね。

クラウドファンディングで国内歴代最高となる総額1億円を個人で調達し、絵本『えんとつ町のプペル』を作り、30万部突破のメガヒットへと導いた天才クリエイターが語る、”現代のお金の作り方と使い方”と最強の広告戦略、そして、これからの時代の働き方。

では、特に面白いと感じた箇所の紹介と感想を書いていきますね。

マネタイズのタイミングを後ろにずらせ

ぼくは本業でコンサルタントをしつつ、副業でもいくつかビジネスをやっています。

お客様に価値を提供することは大前提として、お金を頂くことも必要となります。そのため、どうやって価値を提供しつつマネタイズをしていくか、よく考えています。同様に、西野氏もマネタイズに関してはいろいろと試されているようです。

僕はデビューの頃から、『西野亮廣独演会』という単独のトークイベントを開催している。

2016年夏に東京で開催した『西野亮廣独演会』はチケット完売。実に4500人のお客さんが足を運んでくださった。

ちなみに、僕が主催する独演会は、数多あるトークショーや講演会と違って、凝り性がたたって美術セットから照明から何から何まで、ゴリゴリに世界観を作り込んでいる。会場に流れる音は、グランドピアノを持ち込んで、プロのピアニストさんに演奏してもらっている。  当然、ライブの制作費はその分だけ膨れ上がるわけだが、チケット代は2000円で、2階席に限り小学生以下は無料。

「さすがにオマエは中学生だろう」というヤツが来ても、「Lサイズの小学生です」と言い張れば中に入れるようにしている。驚異の自己申告制だ。

マネージャーは「何を考えてんすか!5000~6000円いただかないとモトがとれないですよ!」と泣き叫ぶが、関係ない。

べつにイイ人ぶっているわけではなく、収支的に勝ち目があるから、その判断をしている。  インターネットにより、全てのものがガラス張りになった今、お客さんの値段感覚は極めて正確だ。

劇団四季のチケットの値段や、メルカリで売られているスカートの値段や、不動産の値段など一切を、スマホ上で見比べることができるようになった人達は「2000円で何を得ることができるか?」を知っている。

当然、独演会の美術や音楽や、その他もろもろを見て、「これは本来2000円では経験できない」ということを、4500人全員が分かっている。あの値段設定では主催者側が負担を背負っていることを見透かしているのだ。

それでいい。

独演会の赤字分ぐらい、絵本が売れれば、いくらでも返せる。

ここは目先の収益にとらわれず、4500人に感謝されることを選んだ方が得策だ。

「目先の収益にとらわれない」というのは、自身でのブログ運営やコミュニティ運営の経験上、納得感があります。

人は想像以上に賢いものであり、かつ嫉妬深いものです。もしあなたが、自分のサービスに「価値以上の値段」をつけて、うまくプロモーションして収益をあげているとしたら、おそらくそれは長続きしません。すぐに類似サービスと比較され、そちらに流れていってしまいます。

逆に、自分が提供している価値よりも低い価格で提供できていたとしたら、そのサービスには人が殺到します。

さらに、自腹を切るレベルまで価格を下げ、「自分は損をしてまでもこのサービスを届けたいと思っています」という熱意が周りに伝わっていけば、評判も上がっていきます。

一種の人心掌握術に近いところもあるため、悪意を持ってこれを実施することはよろしくないと感じますが、人の気持ちは、伝える側の熱意や真摯さに多分に影響されるものなのです。

無料公開の出し場所を散らせ

西野氏の前著「魔法のコンパス」にて、西野氏は「人は確認作業でしか動かない」ということをおっしゃっていました。

★参考記事

本書ではさらに一歩踏み込み、「ビジネス書ではどうするか」というところについて解説されています。

ちなみに。 『人生の勝算』はプロローグ部分を無料公開することで売り上げを伸ばしたが、『えんとつ町のプペル』のように〝全ページ〟をWebに無料公開していたらどうなっていただろうか? 「読み聞かせ」というコミュニケーションツールとしての機能が備わっている絵本と違って、内容そのものに全ての価値を置いているビジネス書の全ページ無料公開は、さすがに「ネットで無料で読めるんだったら、買う必要ねーじゃん」というツッコミの声が飛んできそうだが、僕の答えは違う。

ビジネス書でも無料公開の出し場所を散らせば売り上げが伸びる。

「出し場所を散らす」というのは、たとえば、プロローグをキンコン西野のブログ、本編の第1章を堀江貴文さんのメルマガ、第2章をニュースサイト、第3章をキンコン西野のフェイスブック……ということね。

この調子で、出し場所を散らして、最後まで公開する。

第1章だけを読んだ堀江貴文さんのメルマガ読者は、続きを読みたくなって本を買うし、たとえ、他の章がどこかにアップされていることを知っても、無限にあるネットの情報の中から、プロローグや第2章や第3章の情報を回収していくよりも、本を一冊買っちゃった方が早いから、本を買う。

つまり、無料公開の出し場所を散らしてしまえば、情報を回収するコストよりも、本を買うコストの方が安いから、ビジネス書ですら無料公開した方が売り上げが上がる。

事実、本書『革命のファンファーレ』はこの戦略をとり、予約段階で2万部を売り上げた。

これは盲点でした。

ぼく自身ビジネス書である「7つの仕事術」を刊行していますが、西野氏ほど思い切った販売施策は打っていません。

西野氏がおっしゃるように、いろいろな媒体で内容が無料公開されていれば、「いろんなところを巡って読むのは面倒だから買ってしまおう!」と考える人たちは確かに多そうです。

ビジネス書の内容が無料公開されているようなサイトを見る層の方々は基本的に金銭的にも余裕があるケースが多く、なんらかのきっかけさえあればアマゾンでボタンをポチっとする可能性が高いです。その「なんらかのきっかけ」を「無料公開の出し場所を散らすこと」と定義しているのは非常にうまいやり方だなーと思いました。

顧客視点からしても、購入前に序章や第一章をガッツリと読めるのは良いことですよね。それで「なんか違うな」と思ったら買わないという選択も出来ますし、「面白い!」となったら即購入できるので、特に損する人はいなさそうです。ただ、出版社側としては自社のコンテンツが流出してしまうことになるので、そこの調整は難しいかもしれないですね。

ニュースを出すな。ニュースになれ。

残念ながら、ぼくたちは一日24時間しか持っていません。この限られた時間で最大の成果を出すにはどうすればいいか、西野氏が語ってくれています。

宣伝アカウントに、宣伝効果があるはずがない。

僕も、あなたも、そしてレコード会社の広報担当の方も、出版社の広報担当の方も、自分のタイムラインに流れてくる宣伝はスキップしているし、そもそも、よっぽどのファンでない限り宣伝アカウントなんてフォローしていない。

一方、「情報解禁」が機能する場合もある。

バンド、Hi-STANDARDの新譜は、徹底的に情報を隠され、ある日突然、全国の店頭に一斉に並んだ。SNS上では、「ハイスタの新譜が売ってる!」いうコメントが躍り、ニュースになった。

大切なのはニュースを出すことではなくて、ニュースになることだ。

「ニュースになる」ということは、他人の時間を使えているということだ。

「他人の時間を使えている」ということは、ニュースになっている時間が延びているということだ。

情報解禁日を設けた方がニュースになるのなら、設けた方がいいし、情報解禁日を設けない方がニュースになるのなら、設けない方がいい。

至極、当たり前のことなんだけど、ほとんどの人が綺麗サッパリここを考えず、口を開けば「情報解禁日はいつにしますかぁ?」となる。

何の為の情報解禁日なのかを、もう一度考えろ。考えるんだ。

これは広報やマーケティングに携わる人は必見かと思います。当たり前の話なのですが、「自分で宣伝」をしても、通常ほとんど効果はありませんよね。

自分が売っているものについて「買ってください」「いいですよ!」というのは当然です。そのような宣伝にいくらお金をかけても、残念ながら効果はあまり高くありません。

そうではなく、どうしたら「他人に宣伝してもらえるか」 = 「自分自身がニュースになるか」という視点でマーケティング戦略を練る。これは一見当たり前のように見えるかもしれませんが、ほとんどのマーケティング担当者が持ち合わせていなかった視点なのではないでしょうか。

ぼくもこのブログやオンラインコミュニティ「Players」等々、しっかりと「ニュースになる」ことを意識して、戦略を練っていきたいなと考えています。

新時代のビジネスセオリーを一挙に学びたい人にはおすすめの良書

「革命のファンファーレ」ですが、実際に結果を出し続けている西野氏が新時代のビジネスセオリーについて平易にまとめてくださっている良書です。今後のビジネス戦略、特にマーケティングについて考えてみたい人は必読といっても良いでしょう。

最後に、西野氏からのメッセージを記します。

この時代を生きたいのなら、

自分の人生を生きたいのなら、

決定権を持て。

今、この瞬間にだ。

周りが何と言おうと、

世間が何と言おうと

昨日までの常識が何と言おうとかまわない。

キミの人生の決定を、他人や環境や時代に委ねるな。

キミの人生はキミが決定しろ。

常識に屈するな。屈しないだけの裏付けを持て。

それは行動力だ。

それは情報量だ。