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こんにちは、Shinです。
「コンサルタントは偉そうにいろいろと指南するけど、彼らが起業してもうまくいくことなんてほとんどないよ」という言説、あなたも聞いたことがあるのではないでしょうか。
コンサルタントも起業家も、「ビジネスをしている」という大きなくくりでは同じハズ。それなのに、なぜ「コンサルタントが起業してもうまくいかない」というパターンが多いと言われてしまうのでしょうか。
「コンサルタントが起業してもうまくいかない」ってホント?
「起業してうまくいく」というのをどう定義するかにもよるのですが、メルカリやZOZOのような圧倒的な成果を残せるような可能性はそもそも低いのです。いかに敏腕コンサルタントだからと言っても、そこまでの成果を残せるかと言われたら、なかなか厳しいでしょう。
「元マッキンゼーのマネージャー」「元BCGのパートナー」のような肩書を活かして起業すると、そうではない人々に比べて注目度は高いです。なので、コンサルタントが起業すると多くの人の印象に残りやすくなる。しかし、成功率はそれほど高くないので、「コンサルタントが起業してもうまくいかない」といわれるんじゃないかなと。
本気で検証するのであれば、スタートアップ企業を一覧化して、下記のように区分する必要があります。
- 創業者がコンサルティングファームに勤めた経験がある
- 創業者がコンサルティングファームに勤めた経験がない
そのうえで、年商や利益率、社員数などいくつかのファクターを準備して「成功率」を割り出していくのでしょう。感覚的には、なんだかんだ前者のほうが成功率が高いのではないか?という気はします。
・・・という検証については少しおいておくとして、「コンサルタントが起業してもうまくいかない」という説を真だとした場合、なぜそういえるのか少し考えてみました。
コンサルタントと起業家はアタマの使い方が違う
個人的には、「コンサルタントが起業してもうまくいかない」はなんとなくわかります。より正確な表現にするならば、「コンサルタントであっても、起業を成功させられるとは限らない」という感じでしょうか。
ビジネスにおけるプロフェッショナルであるはずのコンサルタントが、起業を成功させられないとすると、その原因はなんでしょうか。ぼくはシンプルに「アタマの使い方の違い」にあるのではないかと考えています。
ぼくは戦略コンサルタントとして日々働きながら、このブログやPlayersというオンラインコミュニティの運営等をしています。なので、コンサルタントと起業家双方の働き方や考え方についてある程度理解しているつもりです。
コンサルタントのアタマの使い方
コンサルティングプロジェクトでは、「クライアント企業の分析」から入るのが普通です。
- クライアントの現状はどのようなものか。どのような問題を抱えているのか。
- その問題を抱えるに至った原因は何か。
- その原因をすっぱり取り除き、再度成長軌道に乗せるためにはどうすればいいか。
これらの論点について、さまざまな調査やインタビュー、ディスカッションを通じて答えていくのが通常のコンサルティングプロジェクトです。
*「M&Aの対象を探したい」「新規事業を立ち上げたい」等の場合は少々趣が異なるのですが・・・。
インタビューやデータ分析を繰り返して、クライアント企業の現時点の状況をつまびらかにする。そして、全体を俯瞰した後に、問題となっているポイントがどこか特定し、その問題がなぜ起こっているのか原因分析をして、解決すべき課題を見える化する。
通常のコンサルティングプロジェクトの流れは上記のようなものになります。
起業家のアタマの使い方
ひるがえって起業家はどんなアタマの使い方をしているのか。
- 自分が救いたいのはどういう人か、明確にする
- その人たちがどのような不満・要望を持っているか考える
- その不満や要望を満たすためのソリューションを開発・提供する
コンサルティングが「クライアント企業の分析」から入るのに対し、起業家は「どんな人を救いたいか」というユーザ特定から入ります。
ぼくが現在運営しているPlayersというサービスを例にとると、
- 昔の自分のように、新卒で会社に入ったもののいまひとつぱっとしない日々を過ごしている人たちを救いたい
- 彼らは「仕事さえできるようになれば、毎日楽しいし充実するのに」という不満を持っている。仕事の進め方やアタマの使い方、上司とのコミュニケーションの取り方をちゃんと学び、仕事で成果を出せるようになりたい、と考えている
- 仕事の進め方やアタマの使い方の基礎を動画や文章で学びつつ、コミュニティの中でアウトプットすることで実際に身に着けるソリューションを提供する
というように考えています。
これは、普段のコンサルティングとはまったく違う進め方なのです。
どっちもできるようになると切れ味が増す
コンサルティング的な「クライアント企業を俯瞰して課題を抽出する力」と、起業家的な「ユーザを見た上でその不満を解決するソリューションを作り、運用する力」というのは、近いようで遠い力です。
なので、コンサルティングでいかに成果を上げ続けていたとしても、起業してみるといまひとつしっくりこず、花開かないケースがあるのかなとも思います。
ぼく自身はコンサルティングスキルも起業家としての経験もまだまだですが、自分のサービスを開発し、展開してから、コンサルティングでもお客様に喜んでいただける割合が増加したように思います。
コンサルティング的なスキルと起業家的なスキル、可能であれば両方身に着けると、仕事のクオリティがぐっとあがるのかもしれませんね。
これからも精進します。