こんにちは、Shin(@Speedque01)です。 普段は戦略コンサルタントとしてコンサルティングファームで働いています。いつもではないですが、上司とひざを突き合わせて仕事をすることがあります。
残念ながら、仕事のアウトプット量でも正確さでも、彼を上回ることはほとんどありません。「これならいいだろう」と思っても、彼からの指摘に答えきれず、やり直しとなってしまうことが非常に多いです。
現在では、上司と仕事をするケースは若干少なくなりましたが、それでも彼と一緒に仕事をするときは「なんでここまで差が出てしまうのだろう」と悩むことばかりです。いつか彼を超えたいと常々思っているのですが、まだまだその日は遠そうです。
彼と自分の違いはどこにあるか。もちろん経験は彼のほうが多いですし、そもそものアタマの切れや知識量の差はあるでしょう。しかし、経験や知識量に原因を求めると、彼を超えるのは相当難しいですし、「アタマの切れ」というそもそもの才能の差に原因を求めても同じことです。
それに、本質的な差はそこにはないと、直感的に感じるのです。
矢継ぎ早に繰り出される質問
彼と仕事をしていると、とにかく多くの質問をしていることに気づきます。
- 今回の本当の目的はそれであっているの?
- 前のスライドで出ているグローバル規模のデータと、このカナダでの市場規模、全然整合性が取れていないのでは?
- ここのスライドに書かれている日本とヨーロッパの違い、ここのデータと矛盾しているけどどう説明する?
- この言葉の定義、本当にわかっている?そもそものところからずれている気がするよ。
等々。
ぼくも、調査や分析をなんとなくやっているわけではなく、多くの観点から矛盾がないか、ストーリー立っているか気をつけて資料を作っているつもりです。しかし、それでも彼の前では積み上げてきたロジックが粉砕されてしまいます。
何が違うのか。なぜ彼にできて自分にできないのか。そもそも自分には才能がないのか。
コンサルタントになってから、ぼくは多くの人々を見てきました。その中で気づいたのは、自分は決してアタマが良いわけでも尋常ではない発想力を持っているわけでもないことでした。
しかし、だからといって「自分には才能がない」と諦めてしまったらそこで終わりです。もう少し年を重ねたら諦めるかもしれませんが、今時点ではどのような人にも食らいついていきたいのです。だからこそ、もしかしたら「才能の差」かもしれないけれど、それで終わらせることはしたくないのです。
では、彼にあって自分にないものが才能以外にあるとしたら、いったいなんでしょう。
誰よりも突き詰める覚悟を持っているか
直接彼がそういっていたわけではありませんが、ぼくは「突き詰める覚悟」なのではないかと考えています。
- 自分の考えうる限界まで調査し、考えを深める
- お客様(仕事を依頼してくださった方、その上司、社長含)の視点から考え、想定質問を作る
- それらの想定質問にすべて答えきれるかどうか考え、そうでない場合はさらにリサーチをし、考えを深める
- このプロセスをずっと繰り返し続ける
上記のプロセス自体に目新しいものはありません。「誰にでもできることではないか」といわれたら、答えはもちろん「Yes」になります。ぼくも毎日同じプロセスを組み合わせて仕事をしているはずです。
彼は特別なことをやっているわけではありません。他の人とやっていることはほぼ同じと言い切ってもよいでしょう。違うのは、「これ以上はムリだ」というところまでこのプロセスを回し切ると決めているかどうか、だとぼくは考えています。
言葉にすると陳腐かもしれません。誰よりも考え抜き、突き詰めて物事を捉え、実行可能性のあるプランニングまで落とす。そして、決めたことはなんとしてもやりきる。これは、過去にご紹介したグリットの一種でしょう。
誰よりも突き詰める覚悟を持て、と言葉で言うのは簡単です。「どうすればできるようになるのか」、それを心底理解せずにただ「意識するだけ」では行動が変わることはないでしょう。
長期的に考えると、突き詰めたほうが「トク」をする
ではどうすればいいか。
人間は単純な生き物で、自分にとって「トク」だと心底思うと無理せずとも動けるようになるし、そうでないといくら気合を入れても動けないものです。なので、「物事を突き詰めて考え、実践に移すほうが自分にとってトクだ」と思うことができればよいのです。
一生懸命物事を突き詰めて考えることは大変です。「もうよくない?」と思ってしまうこともよくあります。短期的目線で考えたら、明らかに「ソン」といえるでしょう。
しかし、少し長い目線で考えてみましょう。
目の前の仕事を適当にこなして何のスキルも知識もつかないケースと、一生懸命物事を突き詰めて考えて知識や経験を完全に自分のものとしたケース。どちらのほうが「トク」でしょうか。
少し考えてみれば、後者のほうが「トク」であることはよくわかると思います。
人間は弱いものです。すぐ楽なほうに流されてしまいます。
でも、もしあなたがプロフェッショナルとして大成したいのであれば。そして、その結果として多くの人を救える人になりたいのであれば。
少し長い目線で考えて、物事を突き詰める覚悟を持って仕事をしてみてもいいかもしれませんよ。
ぼくもがんばります。