こんにちは、Shin(@Speedque01)です。ぼくは仕事に悩んでいたときに「ゼロ秒思考」というビジネス書を読み、モノは試しだと思ってメモを大量に書いていたことがありました。
その成果について解説した記事はこちらです。
本へのリンクは下記になります。
ぼくはオンラインコミュニティ「Players」を運営していますが、そのなかのサービスのひとつとしてさまざまなビジネスパーソンの方をお招きして対談をするというものがあります。ライブ配信もしますし、後から見返せるように動画ファイルも残しています。現役の凄腕サラリーマンや起業家、プロブロガーや副業エンジニアなど、いろいろな方と対談させていただいています。
今回はなんと、ゼロ秒思考著者である赤羽雄二さんと実際にお話する機会を頂きました。
赤羽さんのプロフィールは下記の通りです。
赤羽 雄二(あかば ゆうじ)
ブレークスルーパートナーズ株式会社 マネージングディレクター
東京大学工学部を1978年に卒業後、小松製作所で建設現場用ダンプトラックの設計・開発に 携わる。
1983年よりスタンフォード大学大学院に留学し、機械工学修士、修士上級課程を修了。
1986年、マッキンゼーに入社。経営戦略の立案と実行支援、新組織の設計 と導入、マーケティング、新事業立ち上げなど多数のプロジェクトをリード。
1990年にはマッキンゼーソウルオフィスをゼロから立ち上げ、120名強に成長させる原動力となるとともに、韓国企業、特にLGグループの世界的な躍進を支えた。
2002年、「日本発の世界的ベンチャー」を1社でも多く生み出すことを使命としてブレークスルーパートナーズ株式会社を共同創業。最近は、大企業の経営改革、経営人材育成、新事業創出、オープンイノベーションにも積極的に取り組んでいる。
ベストセラー「ゼロ秒思考」著者
今回は「起業を考える方」にとって大変有益なお話を伺うことができました。下記が対談の内容になりますので、特に起業したいと考えている方はぜひ読んでみてください!
Shin:今回は赤羽さんが創業サポートを行う際に考えていることをお伺いさせて頂きたいです。よろしくお願い致します。
赤羽:こちらこそ、よろしくお願いします。
創業サポートに必要なのはお金でも人脈でもなく「議論の相手」
Shin:いわゆる「ベンチャーキャピタル」って基本的にお金を出して、たまにその相談を受けるという形ですよね。赤羽さんの場合は、お金を出すだけじゃなくて、どんどんディスカッションもするし、人も連れて来ることを、本当にやりたいって人と一緒に横並びでやっていくってイメージで捉えていますがいかがでしょうか。
赤羽:起業支援というと、多くの人は「エンジェル投資家」もしくは「ベンチャーキャピタル」を想像しますよね。
エンジェル投資家は基本的には最初にお金を出して、誰かを紹介し、人によっては経営に助言します。真に起業家のパートナーになっているかというと、そうではない人が多い印象です。素晴らしい方もいらっしゃいますが。
ベンチャーキャピタルは、エンジェル投資家の後のステージで、出資をしたり、営業支援をしたり、人の紹介をしますね。実際に人を派遣することもあります。こちらも素晴らしいベンチャーキャピタルとそれほどでもないところがあると思います。
素晴らしいベンチャーキャピタルであっても、社長と利害が100%一致するわけではありませんので、本当の意味での社長の相談相手にはなかなかなりづらいかなと感じていました。
私のやり方は、エンジェル投資家やベンチャーキャピタルとはかなり違っています。ポテンシャルのある方に出会って、創業前からきめ細かく助言をし、一緒に素晴らしい事業構想を作って、共同創業者となります。多くは取締役になり、社長を支えて高成長を実現します。起業直後、あるいはしばらくして苦労されている場合にお手伝いを開始する場合もあります。
起業したいと思っているもののなかなか前に進まなかったり、起業したはいいものの軌道に乗らず苦労している方はとても多い。それをなんとかしたいなと思ったのです。
創業期の社長に必要なのは、エンジェル投資家やベンチャーキャピタルが提供するお金や人脈だけではありません。その会社を成功させるために必要なことを、親身になって考えてくれるディスカッションパートナーなのです。新たな視点を持ち、前向きな議論をしながら、具体的な事業構想を一緒に練ってくれる議論相手は、非常に重要だと考えています。
Shin:まさにおっしゃるとおりだと思います。事業のコアの部分は創業者が考える必要があると思うのですが、それをどのようにスケールさせていくか、キャッシュポイントをどう定義するか、具体的なオペレーションをどうするか、そういうことを一緒に考えてくれる人がいると事業はどんどん前に進んでいきますよね。
赤羽:おっしゃるとおりだと思います。
起業に必要なのは「熱意」と「思考の柔軟性」
Shin:赤羽さんは多くの方から、「こういう会社を創業したい!」「こういうサービスを作りたい!」というご相談を受けると思います。でも、もちろん全員と一緒に事業をするわけではなく、赤羽さんの中で「これはいけそうだな」とか「この人となら一緒にやろう」と思えた5%弱の方々と一緒にやるのではないかと思っています。その選定基準はどういうところにあるんでしょうか。
赤羽:相談者として多いのはやはり、「創業したい方」あるいは「創業したんだけどうまくいっていない」という方です。その社長の思いがどのくらい強いか、つまり「事業に対しての熱意があること」が大前提です。
相談を受けた場合は、
- なぜその事業なのか
- こちらの事業じゃないのか
- 競合に対してどうやって勝つのか
- どうやって事業として儲けていくのか
という質問を矢継ぎ早にしていきます。
で、その質問に対して的確に答えをされたり、あるいは「まだ固まっていないけど、早く方針を決めてやる」という非常に真摯な態度の方と、ご一緒させていただくケースが多いですね。
Shin:なるほど。ぼくは過去に、仕事を楽しめない人には「あるモノ」が欠けている。という記事を書きました。その「あるモノ」とは情熱だとぼくも思っています。
赤羽:「情熱」は何と言っても大事です。
赤羽:2つ目には、思考の柔軟性が大切だと考えています。事業構想をしっかり練れているに越したことはないのですが、やはり中には表面的でアイディアレベルから抜け出せていない人もいます。これはある程度しかたのないことです。
そのような表面的な考えをお持ちの人の中にも「ヒントがあればどんどん柔軟に考えられる方」と「ヒントがあってもアイディアレベルから抜け出せない方」がいらっしゃいます。後者の場合、創業は厳しいなと感じます。
ベンチャーを創業して成功させるには、頭がある程度柔軟で、且つ深く考えることが大事なので。何回か話をしてみると、この人は深く考える素質があるかどうかがみえてきますね。
赤羽:自分の事業の競合相手や規制、技術などはどんどん変わります。情熱があって頭も悪くない、ただ頭が固くて自分のアイディアに固執してしまうという方の場合、起業しても相当苦労します。
Shin:なるほど。与えられた問題を地道に解いていくだけではなく、情熱を持ってどんどん方向修正し、ゴールに向かっていけるような方が起業に向いているということですね。大変貴重なお話ありがとうございました!
赤羽さんの最新著書は下記になります。働き方について深く論じられている本ですので、こちらもあわせてどうぞ!
また、過去に赤羽さんの著書をもとに仕事を早くするコツについて記事を書いていますので、「仕事を速くこなしたい!」と考えていらっしゃる方はこちらもあわせてどうぞ。