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こんにちは、Shinです。最近はチームメンバーにいろいろと指導させていただけるチャンスが多いです。
そうやってメンバーに業務の内容や今後のスケジュールについて教えていく際に、「人には理解のスピードや理解する仕組みに違いがある」ということを改めて実感しました。また、たまに「すぐに理解が追いつかない」というメンバーもいることに気づきました。
もちろん、私の説明が悪いという可能性も大いにあります。全員が全員私の説明を理解いただけないとしたら、それは聞き手ではなく話し手の私が原因であると考えたほうがよいでしょう。しかし、8割の人は理解できるものの、2割の人は理解がおいつかない、という場合は、2割の側の人にも原因がある可能性があります。
モノゴトを理解できる人はなぜ理解が出来るのか、理解がすぐできない人はなぜ出来ないのか。会話をしたり絵を描いて整理していくうちに、「モノゴトを理解できる人は4タイプに分けられるが、そうでない人は1タイプしかいない。」ということ、また「モノゴトを理解できる人の中でも、ある2タイプの人はすぐに理解できない人を適切に指導することが困難である」ということに気づきました。
まずは、モノゴトを理解できる人とはどういう人なのか、解説していきます。
モノゴトを理解できる4タイプの人
モノゴトを理解できるというのは、論理のスタートからゴールまで、自分の中でしっかりと結びつけることができるということです。もっとも簡単な例としては、数学でしょうか。ある問いがあったとして、しっかりと正しい答えを出せること、それを「モノゴトを理解する」と定義します。
そう定義したときに、問いから答えを出すときに、出し方が大きく4タイプに分かれるのです。下記で説明していきます。
1タイプ目:天才
まず1タイプ目は天才型です。スタートとなる問いを見た瞬間に答えを導いてしまう人ですね。このタイプの人はそう多くはないです。特にビジネスシーンで見かけることはほとんどないといってもいいでしょう。
図にするとこんな感じ。

こういうタイプの人は、今までの経験と謎の第六感ですぐに答えを導き出します。普通の人たちはついていけません。「天才同士の会話は意味が分からない」といわれるのも至極納得です。
2タイプ目:秀才
2タイプ目は秀才です。問いを確認した後、極めて少ないステップで答えにたどり着ける人ですね。若手のコンサルタント等に良く見られるタイプです。

この人たちはとにかく話が早い。少ないステップでガンガン話を進めていくことができます。こういう人たちだけでチームを組むとプロジェクトのスピードが速くなりそうですね。
3タイプ目:話長い
3タイプ目は、わかりやすく説明できるのだがとにかく話が長い人です。みんながわかりきっていることも、くどくどと説明し続けてしまう傾向にあります。
図式化するとこんな感じ。

細かく丁寧にステップを踏むので、こういう思考のクセがある人はチームに一人いると非常にありがたかったりします。また、こういう方は教えるのが好きな傾向にあるので、教育にも向いているかもしれません。
ただ、時間制限があるお客様へのプレゼンテーションなどには、ついみんながわかっている前提条件もじっくり話してしまうため、不向きな場合もあると思います。
4タイプ目:適切
最後のタイプは、可能であればみなさんに目指していただきたい人です。このタイプの人は、天才や秀才と同じレベルの速度で話を理解しつつ、話が長い人と同じ細かさでステップを刻みつつ、TPOにあわせて説明のしかたを変えることができます。
図式化するとこんなかんじ。

新入社員にじっくり教えるときは3タイプ目(話が長い人)と同じような話になるし、経験が長く頭の回転も速い人たちといるときは2タイプ目(秀才)と同じような話の運び方をしていきます。
ゴールの導出も早く、そのステップを細かく砕け、TPOにあわせて発言を修正できる人。これがタイプ4の「適切な人」となります。
今までの全体像をまとめると、下記のようになります。

モノゴトをすぐに理解できない人
モノゴトを理解できる4タイプの人について解説しましたが、では「すぐに理解できない人」というのはどういう人でしょうか。実は、「すぐに理解できない人」については、大きく分けると1タイプしかないのです。
それは、「ステップが途中でつながらなくなってしまう人」です。

スタートからゴールに行くまでのステップを踏もうとしても、途中でステップとステップがつながらなくなってしまう。そういう人は、残念ながら途中で自力での問題解決をあきらめざるを得ません。数学の問題を解いているときに、必要な公式の暗記が出来ていなかったり、自ら導出できない場合のような感じですね。
これですべてのケースが出揃いましたね。

「すぐに理解できない人」はステップを刻む努力をしよう。
ぼくはもともとモノゴトの理解が非常に遅く、「すぐに理解できない人」の側にいます。
しかしながら、「理解できない」といって問題の解決を後回しにしていると、いつまでたっても変わることができません。 ぜひ、ひとつひとつステップを細かくして、どこがわからないのか明確にしていきましょう。
ステップを自力で刻めない人は、「理解できる人」に助けを求める必要があります。しかしながら、「天才」と「秀才」の2タイプは、「すぐに理解できない人」を助けることができません。彼らはステップがないもしくは非常に少ないため、ステップで躓いている「すぐに理解できない人」のことをまるで宇宙人のように捉えてしまうのです。
「すぐに理解できない人」を救うことができるのは、「話が長い人」か「適切な人」のどちらかです。「適切な人」は他のプロジェクトで引っ張りだこであるケースが多いので、話好きで教えることが大好きな「話が長い人」を教育係とするのがいいかもしれませんね。

また、「天才」「秀才」の人も、多くの人を導くリーダーとなるためには、自分の思考プロセスを周りの人に理解してもらう必要があると思います。すぐには難しいかもしれませんが、「自分はどうやってこのゴールを導いたのだろう?」と自問自答していくこともよいのかもしれません。
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