こんにちは、Shin(@Speedque01)です。日本が誇るロックバンド、RADWIMPSのニューシングル「サイハテアイニ/洗脳」が2017年5月10日にリリースされました。
こちらです。
いやー素晴らしいシングルでした。さすがRADWIMPSといえる一枚。
収録曲は下記です。
- サイハテアイニ
- 洗脳
- 棒人間 [Strings ver.]
では、収録曲を1曲ずつレビューしていきます。
サイハテアイニ
最初の曲「サイハテアイニ」は、アクエリアスのテレビCMソングとして使われている非常にさわやかな楽曲です。下記サイトでRADWIMPSのボーカル野田洋次郎のコメントが見れますね。
アクエリアスに合う曲を書いてみようと思いました。
アクエリアスは僕にとっての中高時代のバスケ部で、
電車に走ってむかうときの滝のように流れる汗で、ムダに遊びすぎた試験後のカラオケで、
ほんのり涼しくなった夜のお風呂上がりだったりします。
どうしたって、自分の甘塩っぱい記憶と切っても切れないのです。
あのサイハテまで続きそうな青い青い記憶と。
そんな想いで作りました。皆さんの日々と、この曲が共に過ごせたら幸せです。
RADWIMPS 野田洋次郎
洋次郎の声が朗々と響き渡るサビから曲がスタートします。
僕にないものばかりで 出来上がった君だから
君の全部がほしくたって いけないことなんて ないでしょう?
普通に聞いたらストレートなラブソングなのですが、洋次郎のコメントを読んだ上で聞くと「それだけじゃないな」と感じますね。
アクエリアスは僕にとっての中高時代のバスケ部で、
電車に走ってむかうときの滝のように流れる汗で、ムダに遊びすぎた試験後のカラオケで、
ほんのり涼しくなった夜のお風呂上がりだったりします。
「サイハテアイニ」で歌われているのは、青春時代の恋だけではなく、「青春時代そのもの」なのではないでしょうか。一瞬で過ぎ去るあの頃に打ち込んでいた部活、勉強、文化祭、友人たちとの交流、そういうものがすべて「君」の一言に詰め込まれている、そういう印象を受けました。
手拍子交じりのBメロのノリがいいですねー。これはライブで盛り上がりそう。
歌詞としては、2番目のサビが終わった後がいいですね。
平均寿命80年として 睡眠時間7時間として
あと何時間を 君とイチャつけんだろう
労働時間10時間として 残業時間月10時間じゃ
足りないよ 足りないよ ダーリン愛を
さわやかな曲調に乗せ、「つまらないことをいやいややっている暇なんかないんだよ」というメッセージが伝わりますね。
前前前世の流れを引き継いださわやかなロックチューンでした。オススメです。
洗脳
二曲目は「洗脳」です。一曲目の「サイハテアイニ」と対極に位置する、ダークでブラックなRADWIMPSの顔がのぞきます。
淡々としたピアノに載せ、面と向かって語りかけてくる洋次郎。
なあ これが病気だって言える根拠なんかあんのかい
別にあんた喜ばすために生まれてきたんじゃない
あんたとてそうでしょう? 臭いものに蓋しよう
信じたいものだけを信じてきたんでしょう?
小と中と高で必死こいて手に入れた 邪見と偏見とうがったその思考
取り払うのにも一苦労 さあ今日からはどうしよう
日本の教育の中で詰め込まれてきた「常識」。それに洗脳されてしまったぼくたちへの強烈な批判が伺えます。洋次郎は帰国子女です。日本で学校に通っているときに、いろいろあったのかもなーと邪推してしまいますね。
最後のサビが圧巻です。
見えてるものより 見えないもの
知ってることより 知らないことのほうが多いとはいえ
そりゃどうだろうか もう疑うことばかりうまくなってもう
信じたっていいでしょう 違ってたってなんなの
だからっていいことがあるわけじゃないんだし
信じたっていいでしょう 違ってたってなんなの
だからっていいことがあるわけじゃないんだし
幸か不幸かどうかは 僕に決めさせてよ
他は好き勝手決めさせてやってるんだからさ
いろいろな思惑が渦巻くこの世界。何が正しいか何が間違っているかなんてもうわからない。自分が幸せかどうか、それだけはせめて自分で決めさせて欲しいという悲痛な叫びに共感します。
棒人間 [Strings ver.]
棒人間[Strings ver.]はアルバム「人間開花」に収録済みの曲のアレンジ版です。
ぼくはこの曲だけのレビュー記事も書いたぐらい、この曲がメチャクチャ好きなのです。日本テレビのドラマ「フランケンシュタインの恋」の主題歌にも抜擢されています。
棒人間は見た目が人間そっくりです。だから、周りの人々も彼を人間として扱いたがります。だから、棒人間は一生懸命に努力するのです。
- 何が面白いのかもわからないけど笑ったり
- 人の痛みなんかわからないけど同情してみたり
- 褒められたらとりあえず謙遜してみたり
- 誰かのために自分がしたいことを諦めてみたり
- 毎朝ちゃんと起きてみたり
- 他の人のために何かをしてみたり
彼は人間ではないのに、そのようなことを一生懸命やっていきます。人間でなくとも、その姿は徹底的に美しい、ぼくはそう思います。
他の人より劣後しているけども、その事実を認めながらも、「まとも」になろうとする人の姿はとてもとても美しいです。
原曲が素晴らしいことはもちろん、この「棒人間[Strings ver.]」もとても良いですね。美しいストリングスの音色に、明るくも悲しい洋次郎のボーカルが突き刺さります。
ぼくは人間じゃないんです 本当にごめんなさい
そっくりにできてるもんで よく間違われるのです
シンプルに刺さるこのフレーズ、何回聞いても心を打たれます。「自分はできそこないだ」「ここにいてはいけないんだ」、そういう気持ちになった経験がある人であれば、棒人間の気持ちに深く共感できるのではないでしょうか。
名曲です。
「サイハテアイニ/洗脳」はRADの魅力がギュッと詰まったシングルだった。
「サイハテアイニ/洗脳」は、さわやかな青春ソングである「サイハテアイニ」、ブラックで悲痛な「洗脳」、既存曲の素晴らしいアレンジである「棒人間[Strings ver.]」と、RADWIMPSのさまざまな側面を堪能できるシングルでした。
RADWIMPSファンならずとも、ぜひ一度聞いてみてはいかがでしょうか。