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こんにちは、Shin(@Speedque01)です。この時期になると、入社を前にして意気込みまくっていた大学4年生のころを思い出します。
いわゆる「意識高い系」と揶揄されるようなタイプの大学生だったぼく。なんとかコンサルティングファームから内定ももらい、「これからは明るい未来が待っているはずだ」と無邪気に信じていました。
しかしながら、人生はそう簡単にいくものではありません。
コンサルティングファームに勤めている人は、やはりとても優秀でした。上司や先輩はもちろん、同期や後輩も非常に優秀です。彼らのスペックは、なんとか滑り込みで内定をもらえたようなぼくとはまったく違うものでした。
頭の構造がまったく違う上司や先輩たち、比較対象であるものの全然敵わない同期や後輩たちに囲まれ、だんだんとぼくは磨耗していきました。
一生懸命努力はしているものの、思うように成果は出せない。上司や先輩もフィードバックはくれるものの、ときたま口調がきつくなり、萎縮してしまう。同期や後輩たちは、バリバリと活躍している。
そのような状態に置かれたら、ぼくならずとも壊れかけていってしまうはずです。
そのままずるずるといってもおかしくなかったのですが、ぼくは何とか持ち直すことができました。しかしながら、それは一気にできたわけではありません。
「仕事がつらくて壊れてしまいそう」という段階から、「仕事、結構楽しいじゃないか!」と思えるまでには5つのステップがあったのです。
ステップ1:指示を理解する
まず、ぼくはそもそも「上司からの指示を理解する」ということができていませんでした。
もちろん、ちゃんと話を聞いているつもりではあるのですが、しっかりと理解しきれていない感があるのです。上司から「わかったな?」と聞かれて「はい」と答えるものの、実際に手を動かしてみたらわからないことばかり、「わかった」といった手前、忙しい上司に聞くのもはばかられる。
その結果、いつまでたっても最初のところで躓いており、適当なアウトプットを出さざるを得ず、失望される。そういう経験がある人も少なくないのではないでしょうか。
まずは、「自分は人の話を一度で理解するほど頭が良くはない」ということを自覚しましょう。その上で、下記を意識しながら話を聞くと、指示をちゃんと理解することができるようになっていきます。
- 最初からわかっている人は誰もいない。質問をしまくる。
- 聞くときはオープンクエスチョンではなく、クローズドクエスチョン。「これこれこうだと思っていますが、あっていますか?」
- そもそもなぜそれをやる必要があるのか聞く。
- 上司だったらどのように進めるのか、それはなぜか聞く。
- もし上司があまりわかっていなければ、今時点で一番わかっている人は誰か、聞きにいっても問題ないか確認する。
- 20分やった後に、一度見せに行くことについての了承をとる
「こうやっていろいろ聞くとうざがられるのではないか」と思う人もいるかもしれませんが、理解しないまま仕事をはじめ、後でガンガンどやされるよりはましですよね。
ステップ2:的確にこなす
ステップ1でなんとか上司のいうことを理解できたら、次の課題は「的確にこなすこと」です。
データ収集、データ分析、メッセージ抽出、スライド作成などなど、ぼくははじめてのことをたくさんこなさなければなりませんでした。上司が何を考えて何を求めているかわかったとしても、具体的にそれを実現するのは並大抵のことではありませんでした。
どのような仕事にも、ルールがあります。「こうすればうまくいく」というTipsがあります。それは公開されているときもあれば、一子相伝で口頭伝達されている場合もあります。
どちらの場合でも、あなたは的確にこなすための方法を探し出し、理解し、実践しなければなりません。自分なりにやってみたい、という気持ちは非常に良くわかるのですが、まだまともに仕事がこなせないレベルで「自分なり」といっても失笑されるだけでしょう。
- 同じ仕事をしていた同僚にやり方を聞く
- ググってみて、やり方を叩き込んでみる
- その仕事に関連した本を読み、そのとおりにやってみる
- 30分取り組んだらすぐ上司に見せにいき、方向性を確認する
これらのことをやっていきましょう。最初はなかなかうまくいかないかもしれませんが、一度やり方を掴んでしまえば後はスピードと質を上げるだけです。
そうなってくれば、「仕事で怒られる」ということはほとんどなくなっていきます。
ステップ3:自分なりの工夫を凝らす
ちゃんと人の話を理解し、的確にこなすようになると、仕事へのつらさが若干軽減されてきます。しかし、それでもまだ「楽しい」と思えるレベルには達しません。
ステップ3では、指示を理解し、こなすだけでなく、「自分なりの工夫を凝らす」ということをしていきます。
指示を出してくる上司は、普段とても忙しい。どうしても指示が近視眼的なものになってきてしまいます。本当はもっと効率の良いやり方があったり、優先順位が違っていたりすることも多々あるのです。
ぼくも、上司という立場になってから痛感しました。上司は絶対、のようにおもっていましたが、そんなことは全然ないのです。指示は出すものの、可能であれば部下にもっとしっかりと考えてもらい、創意工夫を凝らして欲しい、上司はそう考えているものなのです。
あなたはもうすでに指示を明確に理解し、ちゃんとしたやり方で仕事を進めることができるようになってきます。ここでさらに「こうしたほうがいいと考え、やってみました!」といつもと一味違ったアウトプットを出すことができれば、あなたへの上司の評価はさらに上がります。
また、このように通り一遍のマニュアルから離れ、自分なりの工夫を凝らして仕事をするのは非常に楽しいものです。自ら何かを創造している感がたまらないんですよね。そうなると、自然と質もスピードも上がっていき、いいサイクルに入ることができます。
ステップ4:言われる前にやる
ステップ3までできるようになると、上司の見る目も変わり、仕事がどんどん楽しくなってくるでしょう。そうしたら、次あなたがすべきは「言われる前に仕事をやってしまうこと」です。
いろいろな仕事のやり方を理解し、どうすればもっと良くなるか自ら創意工夫もできるようになったあなた。ここまできたら、仕事の全体像を把握することも苦ではないでしょう。
- プロジェクトの真の目的とボトルネックを理解する
- スケジュールおよび遅れそうなタスクを把握する
- 各メンバの能力やモチベーションを理解する
- 先回りしてやっておくと良いところを把握する
などなど、すでにできるようになっているはずです。だとしたら、わざわざ上司の指示を待つまでもなく、いまやるべきことを自分で判断し、やってみてください。もちろん、事前に上司に一言かけておくことを忘れずに。
指示をせずとも、自分でどんどん動けるような部下はメチャクチャ重宝されます。そして、さらにあなたは自由に動けるようになり、上司もますますあなたを信頼するという良いループに入っていきます。
この段階までくることができれば、「仕事・・・楽しい」と思えているのではないでしょうか。
ステップ5:自分のチームを持ち、指示を出す側に回る
積極的に先回りし仕事をこなせるようになったら、次は最後のステップ「指示を出す側に回る」です。ここまできたら、あなたは仕事の真の醍醐味を理解することとなります。
仕事の全体像を理解し、しっかりとこなし、創意工夫をし、先回りまでできるようになったあなた。上司はあなたに大きな信頼を置いていることでしょう。
そうなったら、ぜひ勇気を出してこう聞いてみましょう。「私にこのチームを任せていただけませんか?」と。
あなたがここまで十分な実績を出してきたとしたら、これは願ってもない申し出です。たくさんのプロジェクトを統括している上司は、いつでもその負担を減らしたいと考えています。それができる部下がいれば・・・といつでも考えています。
そこに、あなたのような優秀な人が自ら手を上げてくれたら・・・採用しない理由はありませんよね。
そうやって自分のチームを持ち、クライアントと話し、さまざまな人に指示を出しつつプロジェクトを前に進めることができるようになったら、あなたは仕事の真の面白さ、難しさを体感することになります。
ここまできたら、あなたは確実に仕事を楽しめるようになっています。
ひとつずつやっていこう
一足飛びにステップ4やステップ5を目指しても、残念ながらうまくいくことはないでしょう。まずは、ステップ1やステップ2、ステップ3をしっかりとクリアしていくことが先決です。
そうやってどんどん正確性を身につけ、周りからの信頼を得られるようになれば、自ら主体的に動いたり、ほかの人を巻き込んで仕事をすることができるようになります。そうなったときに見える景色は、とても素晴らしいものですよ。