こんにちは、Shin(@Speedque01)です。Yahooニュースを巡っていたら、超人気お笑いコンビ「ピース」の綾部が、アメリカに留学するというニュースを発見しました。
ピース、ぼく結構好きなんですよね。イロモネアで又吉がガンガンウケを取るのと対照的に、綾部がダダすべりするのがマジで面白い。
綾部はイケメンだけどなんか残念なキャラ、又吉は確かな実力を持ちつつ芥川賞まで取ってしまったという異色のコンビ。仲もよいのが傍目から見ていてもわかり、とても好きなコンビでした。
そんなピースですが、綾部が突如ニューヨークに拠点を移すことを決めたというのが今回のニュースです。
「このままでいいのか」という焦燥感
綾部がマスコミに語ったところによると、相方である又吉が活動範囲を広げているのに対し、自分は停滞していてあせりを感じた、というのが留学の決め手になったようです。
8日のイベント後に行われた会見で綾部は「結構前から決めてまして。どうしても行ってみたいなという思いが強くて。来年40になるんですけど、米国に行って勝負したいなと」と決意に至った理由を説明。
ピースは相方の又吉直樹(36)が芥川賞を受賞し“コンビ内格差”が話題となったが「自分はそのままでいいのか、というのが強くなった」と、決断の理由の一つになったという。
個人的にはこの綾部の決断はすごいな、と思います。
ピースはもう押しも押されもしない人気コンビです。このままやっていけばいくらでも仕事はあるでしょう。それにもかかわらず、そこまで築いてきた人気や莫大な報酬を捨て、アメリカに行って勉強し、そっちでハリウッドスターを目指すというのは本当にかっこいい。
「ハリウッドスターになりたい」というくだりは、武井壮の言葉にもかぶるところがありますね。
武井壮:おれも芸能界で世界一を目指してるから。ハリウッドスターを。(学生たち:笑)
武井壮:皆笑うだろ?俺がハリウッドスターっつったら。俺は本気だから。
武井壮:世界中どこへ行っても、「Oh, Mr.Takei!」って言われるような男になりたいなって今思ってんの。2年前そう思ってたの、日本中どの街歩いても「あ、武井さんだ!」言われて全員に挨拶して歩くような男になりたいって言ってたの。2年たった今、そうなれた、ちょっとね。
武井壮:だから全っ然夢じゃないのよ。笑い話でも全然なくて。ほんとにおれはそう思ってるから。でも本気で目指した人しか、多分叶わないんだよね、なんか。どんな道いっても可能性だらけだから。8時間働いたって16時間余ってんだから。
武井壮:その時間で自分を成長させることは何歳になっても可能だし、41歳になる俺がまだ成長するわけだから。みんなもそれに負けないように頑張ってもらいたいな。俺はなんか本当にこれからもガンガンいってやろうと思うね。負けないからね。
最初の「好き」や「得意」に縛られない美しさ
「海外で活躍してやりたい」という強い野望を、綾部がいつから持っていたかはわかりません。おそらく、ぼんやりとした憧れはあったものの、まずは日本で芸人として成功することに集中していたのではないか、ぼくはそう推測します。
そして、最終的には大成功を収めることができた。すばらしいことです。そして、普通の人であればそこで満足します。「自分はがんばった。成功できた。」と。
しかし、綾部はそうではなかった。せっかくの成功を捨て、もともと自分がぼんやりと持っていた憧れを追い続けることを決意したのです。
この美しさ、素晴らしさについては、分裂勘違い君劇場でこれ以上なく明確に語られています。
「好きを仕事に」とは言うが、そもそも、そんな確固たる「自立した主体」などというものは存在しない。
「ほんとうの自分」がどこかにあるはずだと、「自分探し」を続ける若者がよくいるが、多くの場合、自分なんかいくら探したって見つかりゃしないのである。
自分の「好き」はいつもふらふらと移り変わっていて、そんなふうに、カチっと定義づけることなどできやしない。それを、無理矢理「ぼくは○○が好きな人間なんだ」などと定義づけるから、「好きなステーキを毎日強制的に食わされる牢獄」などに閉じこめられてしまうのだ。
また、意識と無意識の境界も曖昧で、ぼくたちは、いつでも理性によって正しい判断とやらをしているわけではない。ぼくたちの行動の多くは、多分に無意識に支配されている。
自分とは、そういう、茫漠としてつかみ所が無く、その時々の状況や気分でふわふわと移り変わっていくところがあり、当然のことながら「好き」だって、ふわふわと移り変わる。
(中略)
必死で努力し、ガマンして毎日ステーキを食べつづけなくても、肩の力を抜いて、ふらふら、だらだらしながら、自然体でサービスを作り出した方が、むしろ、より次の時代にふさわしい、新時代を切り開くような洗練されたサービスを開発できるのではないだろうか。
真に強烈な打撃は、脱力とリラックスから生み出されるというのは、さまざなまスポーツと格闘技の基本だ。
これが、ステーキが大好きな僕が、いま、血の滴るステーキではなく、納豆かけご飯と塩鮭とほうれん草のおひたしを食べ、バランスボールをポヨンポヨンさせながら、この記事を書いている理由であり、明日もまた、やはりステーキの好きな僕は、オニオンスライスとシーチキンの和え物でも食べようかと思いつつ、気が変わってカレーライスでも食べているかもしれない理由なのである。
ピースの綾部は、自分の興味がふわふわと移り変わってきてしまったことを明確に自覚し、実際に行動に移そうとしています。しかも、今まで得てきた財産を捨てる覚悟をしてまで。
多くの人にとっては「もったいない」「バカらしい」決断かもしれません。確かに、このままピスとして日本でお笑い芸人を続けていたほうが、安定するでしょうし収入も稼げる可能性は高いかもしれません。しかし、彼はそんなものを得たいわけではなかったのでしょう。
英語に時間をかけすぎるのはもったいない
ただ、ひとつ気になったのが、「2-3年かけて英語を習得したい」と語っている点です。
英語はまったくできないという綾部。「単語がCのところまでいっていて」というレベルで、文法もまったくだとか。
学校に入るかどうかもまだ決めていないが「2年3年かけて英語を取得して。コメディアンとして行って、最終的はハリウッドスターになって1回でいいからレッドカーペットを歩きたい」と野望を明かした。「アメリカでビッグになって帰ってくる、ということです」とざっくりとした目標を語った。
ぼくたちに残された時間はそう多くありません。綾部ももう38歳ですし、そこまで悠長に構えていられる時間はないはずです。ぜひがんばってほしいですね。