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戦略コンサルタントのブログ。コンサルティング業務、英語、戦略策定、採用、育成等について書いています。

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「人生の勝算」はコミュニティメーカー必読の良書だ。

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こんにちは、Shin(@Speedque01)です。ぼくはコンサルタントとして仕事をしつつ、ブログやオンラインコミュニティの運営をしています。

ぼくは過去に仕事に苦しんだ経験があり、同じ想いをする人を少しでも減らしたいと考え、仕事の悩みを撲滅するためのオンラインコミュニティ「Players」を運営しています。

★参考記事

オンラインコミュニティは比較的新しい概念であり、コミュニティ運営のノウハウはあまり転がっていません。なので、自分で試行錯誤しながら運営してきたというのが正直なところです。自分自身の運営ノウハウについては下記にまとめていますので、興味がある方はぜひお読みください。

★参考記事

そんなとき、コミュニティビジネスに関するある1冊の本を見つけました。それが本日紹介する「人生の勝算」です。

「人生の勝算」とは

「人生の勝算」は仮想ライブ空間「SHOWROOM」の創設者であり、社長である前田裕二氏初の著書です。

Amazonのページから、内容紹介を引用します。

幼いころに両親を失くし、路上ライブで摑んだビジネスの本質。今最も注目される起業家!

仮想ライブ空間「SHOWROOM」社長の初の著書。「SHOWROOM」とは配信者に向かって視聴者が直接投げ銭ができる画期的なライブストリーミングサービスで、その「SHOWROOM」の原点は前田裕二の人生にあった。幼いころに両親を失くし、食っていくための路上ライブで身につけたファンビジネスの本質とはなにか?秋元康、堀江貴文などがこぞって激賞する新時代の起業家がの頭の中を全て公開する。

著者紹介はこちら。

SHOWROOM株式会社代表取締役社長

1987年東京生まれ。2010年に早稲田大学政治経済学部を卒業後、外資系投資銀行に入社。11年からニューヨークに移り、北米の機関投資家を対象とするエクイティセールス業務に従事。株式市場において数千億〜兆円規模の資金を運用するファンドに対してアドバイザリーを行う。

その後、0→1の価値創出を志向して起業を検討。事業立ち上げについて、就職活動時に縁があった株式会社DeNAのファウンダー南場に相談したことをきっかけに、13年5月、DeNAに入社。同年11月に仮想ライブ空「SHOWROOM」を立ち上げる。15年8月に当該事業をスピンオフ、SHOWROOM株式会社を設立。同月末にソニー・ミュージックエンタテインメントからの出資を受け、合弁会社化。現在は、SHOWROOM株式会社代表取締役社長として、SHOWROOM事業を率いる。

外資系投資銀行でバリバリに働き、DeNA南場社長に引き抜かれ、事業を成功させて現在は超注目の起業家として働いている前田氏。もちろん頭も良いのだと思いますが、そのバイタリティには圧倒されてしまいますね。

彼の仕事への姿勢やUBS時代の働き方もとても興味深いのですが、今回はSHOWROOM成功の秘訣でもある「コミュニティビジネス」について前田氏が語っていることを中心にご紹介していきます。

モノ消費からヒト消費へ

前田氏は、「すべてのファンビジネスの根幹はスナックなのではないか」という意見を持っており、それについて下記のように語っています。

商店街にある花屋さん、お肉屋さん、魚屋さんで、花や肉、魚を買うのとは、同じ消費でも、その理由が異なります。これら、単純に機能的価値やコンテンツそのものを欲して対価を支払う「モノ消費」は、景気や需要に大いに左右されます。

しかし、スナックは違います。コミュニティにおける絆をベースにして、より賞味期限が長く普遍的な、所属欲求や承認・自我欲求も満たされ得ます。果ては、ママの親身なアドバイスによって、つい人に言えない内面の弱さや悩みなども吐露してしまい、「本当のあるべき自分でいたい」といった自己実現欲求にまで消費理由が昇華していきます。

以上のように、スナックでは、ママとの人間的な繫がりや、絆の対価として、お金を払います。これは、小学生の僕の弾き語りに、1万円の値段がつい たのと同じ理屈です。スナックの売り物は、ママの人柄、および、ママや常連客との温かいコミュニケーションです。

消費者がお金を出す対象は、基本的には「モノ」でした。まずは衣食住をそろえなければ生きていけないため、そこに対してお金を払うのは当然のことです。衣食住がそろったとしても、テレビやパソコン、家具などなど他にも欲しいものはたくさんあります。

しかし、日本に生きる現代人は、そのようなモノはほぼ持ってしまっています。もちろん、高級なモノをそろえるにはいくらお金があっても足りませんが、生きるのに不自由しないレベルであればそこまで難しくはありません。

モノがあふれている今の時代、人々の興味はモノの消費からヒトの消費、つまりコミュニケーションを取り合うことに移っているのです。

ぼく自身もこれは感じています。ただ情報を発信するよりも、実際の悩みや要望を聞きながらインタラクティブに交流したほうが、ユーザーの満足度が段違いに高いのです。

ですから、Playersでは単に情報を提供するだけではなく、「チーム」や「チャットルーム」という仕組みを作り、交流を促進(もちろん「強制」ではありません)しています。そこでぼくと各参加者のつながり、各参加者同士のつながりが生まれ、活発な活動ができています。

参加者同士で起業家支援のイベントが企画・開催される、というのが具体例として挙げられます。

www.kobayashihayate.com

Playersに参加したことで「人生が大きく変わり始めた」とまでおっしゃってくださる方もいらっしゃいます。

www.happylife1109.com

「人生の勝算」を読み進めていく中で、自分が実施してきたことは少なくとも現段階では間違っていなかったな、という確信を得ることができました。

ファンの「中の人」化でコミュニティが強くなる

また、前田氏はAKB48やキングコング西野氏を例に挙げ、「共謀者」「共犯者」「中の人」の重要性を説いています。

例えば、メンバーの生誕委員会を自主的に企画して運営している人たちがいます。メンバーの総選挙を盛り上げるために、ものすごいクオリティの動画を作って、YouTubeにアップしている人たちがいます。また、誰に頼まれたわけでもないのに、AKBのメンバーにもっとファンがつくようにと、SHOWROOMと連動したファンコミュニケーション円滑化ツールを開発したファンもいました。

スナックと同じで「常連客」を「中の人」にできると、コミュニティは一気に強固になります。現代のコミュニティにおいて、余白をうまく演出して、客と店の境目を不明確にしていくことが、とても重要です。キングコングの西野亮廣さんが、『えんとつ町のプペル』という絵本を大ヒットさせたのも、「お客を中の人にした」という背景があったのだと思います。「共犯者を作る」と西野さんはよく言っていますが、一人で作って10万人に売るのは難しいけど、10万人で作れば最低10万人が買うであろう、と。具体的には、クラウドファンディングを活用して、「自分も一緒にこのプロジェクトに参加しているんだ」と感じるファンや共謀者、中の人を増やしていったのが、ヒットの支えになったと見ています。

キングコング西野氏はとても面白い活動をしていますね。ぼくも彼のビジネス書「魔法のコンパス」の書評を書いていますので、よろしければ読んでみてください。

★参考記事

この「中の人」の概念、なんとなく話としてはわかるが腑に落ちない・・・という人が結構多いのではないかと思います。

今までは「提供者」と「顧客」は明確に分かれていました。提供者側がサービスやプロダクトを提供し、顧客は金を払ってそれを購入する。どんな革新的なビジネスモデルでも、そこから外れることはほとんどありませんでした。

しかし、だんだんと「提供者」と「顧客」の境目があいまいになり、顧客が提供者になることもあれば、提供者が顧客になることもある、そんなファジーな状況を提供するサービスが生まれてきたのです。

オンラインコミュニティにもこの波は押し寄せてきています。コンテンツを一方的に提供するだけのコミュニティは廃れていき、優良なコンテンツに加えてメンバーが自発的に動いていけるような環境を作れるコミュニティが生き残るでしょう。(とはいえ、メンバー任せで運営者が何もしないコミュニティも、同様に廃れていくはずです。)

ぼくは、運営者がリードしてコンテンツを提供しつつ、参加者の行動を促進できるようなコミュニティを「フェス型」と定義し、Playersもそのような運営ができるように心がけています。

★参考記事

フェス型サロンとは、主催者はあくまでコーディネータであり、参加者が自身でいろいろ発信していくタイプです。主催者はあくまでも「ライブ会場」を提供し、そこでライブを行っていくのは参加者なのです。その状況が夏フェスにかぶるので、そのようなサロンを「フェス型」と名づけています。

とはいえ、一方的に「参加者のみなさん、ライブをしてください!」といってもうまくいくはずがありません。主催者は、全体のコミュニケーションを活性化させたり、何かイベントが参加者から提案されたらそれを盛り上げたりする必要があります。参加者から何も出てこない場合は、自らさまざまな企画をしたり優良な情報を提供しなければなりません。

教室型サロンより工夫が必要であり、結構大変です。

Playersでは、下記のようなシステムを導入しています。

  • あるトピックについて追求するために6名限定でFacebookのチャットグループを作り、日々議論しアウトプットしていく「チーム」
  • 人数制限なくいろいろと気軽におしゃべりできる「チャットルーム」
  • Zoomやツイキャスを使用したオンライン講座
  • 実際に集まって新たな知識を得るオフライン講座

などなど。とても活発で楽しいです。

コミュニティを作りたい人はぜひ読もう

「人生の勝算」、実際にコミュニティを運営している立場から読んでみると「答え合わせ」をしているような感覚で非常に刺激的でした。今後はさらにコミュニティを作る力、コミュニティを生かしたビジネスの重要性は高まっていくはずです。そこでうまく軌道に乗せるために、「人生の勝算」を読んでおくと良いのではないでしょうか。

ぼくも前田氏に負けないようないいコミュニティを作れるようにがんばろうっと。

 

★次はこの記事をどうぞ

 

★2017年7月6日、初の著書「7つの仕事術」をダイヤモンド社より刊行します!