Outward Matrix

戦略コンサルタントのブログ。コンサルティング業務、英語、戦略策定、採用、育成等について書いています。

MENU

「上司からの指示 = 自分の仕事」と捉えた瞬間、会社は牢獄と化す

スポンサーリンク

こんにちは、Shin(@Speedque01)です。最近話題になっていた働き方に関するアンケートがありました。

それがこちら。働き方に関する意識調査です。

www.asahi.com

仕事についての考えを問う質問で「職場の上司、同僚が残業していても、自分の仕事が終わったら帰る」という項目に「そう思う」「ややそう思う」と答えた人の割合は計48.7%。前年度より9.9ポイント高く、同じ質問を設けた2001年度以降で最高だった。

このアンケート結果を見て、ほとんどの人は「そんなこと当たり前だろう!!!」という反応をすると思います。「自分の仕事が終わったら帰る」というのは、「おなかが空いたらご飯を食べる」レベルに普通のことです。それについて反論する気はまったくありません。

しかしながら、ひとつだけ立ち止まって考えてみて欲しいのです。「自分の仕事」とはいったい何を指すのでしょうか。

「自分の仕事」の定義はなんですか。

例えばあなたが起業したばかりの起業家だとしましょう。もちろん、世界を驚かせるようなサービスやプロダクトの開発は「自分の仕事」であることは当然です。しかし、まだ収益化の目処も立っておらず、社員を雇えない場合、他のすべてのことも「自分の仕事」になります(経費精算、オフィス賃貸契約、経理、投資家へのプレゼンテーション、テストマーケティング、サイト作成、ブログ更新、などなど)。

起業家の場合、「自分の仕事」が尽きることはありません。やりたいことややらなくてはならないことは次から次へと出てきますし、アウトソースする先もない。「自分の仕事が終わったら帰る」というのは当然ですが、そもそも終わる見込みがないので、オフィスに寝袋を持ち込んで家に帰らない生活を送らざるを得ない、というわけです。

では、一般的なサラリーマンの場合はどうでしょう。先ほど例に挙げた起業家とは違い、いろいろなことをやってくれる人がいます。経費精算をやってくれる一般職の人がいるかもしれませんし、パソコントラブルがあったらIT部門が何とかしてくれるでしょう。サイト作成はWebマーケティング担当がやってくれるかもしれません。

さらに、あなたがまだ若手だったと仮定すると、自分の本業についてもすべてを任されるわけではありません。クライアントからの要望を受けた上司がわかりやすく仕事を分割し、「ここの範囲だけやってね」という依頼を受けるのが通常でしょう。

つまり、あなたにとっての「自分の仕事」は、会社全体の一部の仕事の、そのまた一部だけになってしまいます。しかも、その仕事は自分で取ってきたものでもやりたかったことでもなく、あなたの上司が食べやすいように切り分けてくれた「加工済みの仕事」なのです。

新入社員のうちはその「加工済みの仕事」をこなすことに一生懸命にならざるを得ないと思います。慣れないうちは時間もかかりますし、いろいろな指摘を受けることもあるでしょう。ひとつひとつ学んで改善していけば良いのです。

★参考記事

しかし、いつまでも上司から振られた仕事をやるだけで「自分の仕事が終わったから帰ります」という姿勢でよいのかというと、ぼくはそうではないと考えています。何よりも、人から振られた仕事をするだけでは仕事はいつまでたっても面白くならないのです。

「指示待ち」で8時間も過ごす苦痛

ぼくは、仕事がとても辛くて苦しんだ経験があります。

★参考記事

議事録を書けといわれても、会議の内容がわからない。パワーポイントを作れといわれても、資料の作り方がわからない。エクセルで分析しろといわれても、分析って何をすればいいのかわからない。そんなことの繰り返しでした。

いくら新人であっても、ここまでダメだと先輩やマネージャ達もだんだんと愛想を尽かし始めます。 その結果、ぼくが任せてもらえる仕事は、少しずつ、しかし着実になくなっていきました。

最終的に、ぼくがまともにできるのは資料のコピー取りだけとなりました。しかし、そこでも「両面印刷」といわれていたのを「片面印刷」に聞き違え、紙と時間を無駄にする結果に終わりました。 そこであきれた先輩に言われた言葉が、冒頭の言葉です。

「おまえコピーすらまともにできないんだな。もう任せられる仕事ないわ。帰れよ、もうあとやっとくから。」でした。

一方で、とても楽しく仕事ができたこともあります。今現在は、ほぼどんなときでも楽しみながら仕事ができているかなと。

では、楽しめるときとそうでないときの違いは何かというと、「指示待ちか否か」に集約されるとぼくは考えています。

他人から「これやれ、あれやれ」といわれて気持ちよくなる人はほとんどいないでしょう。「うるさい、好きにやらせろ」と思うのではないでしょうか。それがいかに自分の好きなことであっても、他人から指図を受けた瞬間にやる気を無くしてしまう人は少なくないのです。

逆に、もともとのテーマにあまり興味を持っていなかったとしても、自分がリーダーとしてプロジェクトを引っ張っていけるのであれば、とても楽しめることもまた真なのです。

「これは同僚の仕事」「あれは上司の責任」といって、自分の仕事に線を引いてしまっていたとしたら、果たして仕事を楽しむことはできるのでしょうか。「自分の仕事は終わったので帰ります」自体には反論の余地はないのですが、「自分の仕事」の範囲をどんどん広げる努力はすべきではないか、ぼくはそう考えています。

「自分の仕事」の範囲を広げていこう

最近、国全体を挙げて「働き方改革」が推進されています。この活動により、無駄な労働時間が削減され、人を消耗品扱いするブラック企業がなくなることは歓迎すべきです。

ただ、せっかくならば「労働時間を削減しよう」に留まらない抜本的な改革を進めるべきではないでしょうか。いくら労働時間を削減したところで、会社にいるときにずっと指示待ちでは牢獄と変わりありません。

何よりも自分自身のために、「自分の仕事」の範囲を広げていきましょう。そのほうが楽しいですよ。

★次はこの記事をどうぞ

 

★2017年7月6日、初の著書「7つの仕事術」をダイヤモンド社より刊行します!