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Outward Matrix

戦略コンサルタントのブログ。コンサルティング業務、英語、戦略策定、採用、育成等について書いています。

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わたしの上司は「世界一かっこいい警察官」だった。(寄稿)

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こんにちは、Shin(@Speedque01)です。今日は現在ニュージーランドで働いている元警察官の方に寄稿いただきました。

警察官に対してみなさんはどのようなイメージを持っていますでしょうか。普段あまり関わることはないため、明確なものはないかもしれませんね。

今回寄稿してくださったnanaさんと、この記事の主人公のK部長のお話をぜひ読んでいただきたいです。暖かい交流とK部長のかっこよさ、まるでひとつの短編小説を読んでいるようでした。

ではどうぞ!

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はじめまして。ニュージーランド在住、浜崎あゆみさんをこよなく愛するnanaと申します。今はニュージーランドに住んでいますが、日本では警察官として市民の安全を守るために奮闘していました。

さて、あなたは職場において尊敬できる上司に出会ったことはありますか。また、あなたは部下に尊敬される上司ですか。

本日は、わたしが出会った心から尊敬できる上司・・・神様と崇められていた人物についてご紹介します。

K部長との出会い

警察官になって2年目の3月半ば、例年のように所属内における部署異動が発表されました。

当時のわたしは交通課で窓口勤務をしていたのですが、4月から交番勤務に移ることが決まっていました。

そこで発表された新しい配置。わたし自身は関わったことのない、K巡査部長(以下K部長)が直属の上司となりました。顔と名前が一致するくらいでしたが、そのとき抱いていた彼への印象は「背が高くてちょっと怖そうな人」でした。

ところがわたしの配置を知った人は皆、口を揃えて「nanaちゃん4月からK部長の下だよね。とってもいい人だよ。良かったね!」「K部長はかなり仕事できるからしっかりついていくといいよ!」と言うのです。

どれだけいい人なのだろう、それに仕事もバリバリできるとは・・・。 頑張ってついていこうと張り切る気持ちと同時に、緊張もしていました。

正直言うと、最初のころK部長に対してどう思っていたのかはあまり覚えていません。けれど毎勤務、24時間以上一緒にいるK部長と過ごす時間を居心地が悪いと感じたことはありませんでした。一緒に過ごす時間が長くなればなるほどにK部長のことをどんどん好きになっていくのです。
*K部長はわたしの父親と同学年に当たる年齢で、好きとはいっても恋心は芽生えておりません。念のため。

醸し出す空気、行動の伴う発言、信頼できる仕事ぶり。まるで欠点が見当たらない、欠点がないことが唯一の欠点のような、そんな人でした。

K部長との思い出

K部長との具体的なエピソードがいくつもあって選びきれないです。話せといわれたら何時間でもぶっ通しで話せるぐらい。

今回は少しだけ、彼のエピソードを紹介させてもらえればと思います。

交番勤務をしている理由は○○のためだった

K部長、実は刑事では名の知れた人物だったのです。凶悪な強盗犯を何人も引っ張り上げて緻密な捜査で極悪人を検挙し、何度も栄誉賞をもらっている輝かしい実績を持っています。

それをまったく自慢せず、淡々と「こういう事件を取り扱ったこともあるんだよ」だなんて話すのです。ボーっと聞いてしまうと凄さが伝わらないほどに、一定のペースで話すのです。

「偶然あっちの方向に行ったら、犯人がいて…」と言うけれど、果たしてそれは本当に偶然だったのか、K部長の読みなのか。天狗になることなど一切なく、すごすぎる過去の栄光を語ります。

そんなK部長が何故刑事課にいないのかという疑問が湧きますよね。その理由はたったひとつ、ご本人の意思なのです。交番勤務は比較的、内勤の専務よりも休暇の融通が利く傾向にあります。そこで、大切な家族と過ごす時間を確保するため、刑事課から懇願されても自分の意志で交番勤務をしているのでした。

だからと言って決して手を抜いているわけではありません。仕事をきっちりとこなし、驚くほど超高速処理と緻密な捜査。「ここまでやってくれてありがとうね。さすがK部長。また頼むね。」と刑事課からも大絶賛なのです。これまでの経験と知識を惜しまず出し切り着実に仕事をするために信頼が厚いですし、家族を大切にするという自分の意思を決して曲げないことがK部長の人格を表しています。

部下への指導と思いやり

ある時、K部長・わたし・新人で入ったばかりの後輩の3人で真夜中のパトロールをしていました。 その時、パトカー内で待機する時間があったのですが、新人くんはまだ夜通し起きていることに慣れておらず、瞼が落ちてガクンっと頭を下げてしまいました。

するとK部長が突然「こらっ!先輩が起きているのにお前はっ!」と一喝。 ビクッとする新人くんが慌てて「すいませんっ!」と言い終わるか終わらないかのうちに「な〜んてな。眠いよなぁ、こんな時間だもんなぁ。もう少しだから頑張って起きてよう。みんなも眠いからな。」といつもの優しい声に戻るK部長。そしてわざとなのか自然に出てしまったのか、小さくあくびをしました。

「こんなK部長見たことない!」と、声を張り上げた一瞬は新人くんと同じくらいビックリしたわたしでしたが、次の瞬間にはK部長の優しさと人間性を垣間見るのでした。 新人くんが気を抜いた瞬間は見逃さずとも、気持ちを汲み取ってみんな同じだよと安心させるすごい技を持っているのです。

あえて見せる「人間らしさ」

空き巣事件の現場にて。わたしたち交番勤務員が現場に先に到着し、部屋の計測などを行っていたときのことです。

その時の担当の刑事さんが後ほど到着して、わたしの実況見分のやり方などについていろいろと言ってきたのです。その刑事さんはいつも口調がきつめで、自分の思うとおりに部下が動かないと不機嫌になるようなタイプでした。

そんな彼ですので、やはりわたしにもきつい口調で何か言ったのです。一応「はい」と返事をするのですが、まだ何か言い続けています。するといつもは割って入ることなどしないK部長がすかさずやってきて「大丈夫ですよ、もうこっちで全部終わっていますので。彼女がやっていますから。」と、わざわざ言いに来てくれたのです。

刑事さんはブツブツ小声で言っていましたが、K部長の人柄と仕事ぶりはかなり評判が良いことを知ってかその後は何も言わなくなりました。 その空き巣現場からの帰りには「あいつの言うことは、気にしなくていいからね。口だけだからさ。俺、ああいうふうに部下になんでもうるさく言う奴は嫌いなんだよね。」と。

わたしが怒鳴られて気にしないようにとフォローしてくれるだけでなく、さらに自分の感情も吐き出して人間らしいところを見せるのです。 部下を不当なことで落ち込ませたりしないように注意を払う、部下の仕事ぶりを信用する。そんな上司なら、部下から見て信頼のおける上司であることは間違いありません。

家族との約束。

静かな冬。それは一気に喧騒と化しました。殺人事件です。捜査本部以外の勤務員も、通常勤務に加えて出勤が増えます。交番勤務員は通常であれば休みである非番の翌日も、日勤として捜査に駆り出される日が続きました。

そんな中、わたしが前々から母親と約束していた二人で過ごす日が近づいてきました。今回は会うのが厳しいかな、先延ばしにしようかなと思っていたのです。実家は勤務先から特急列車で1時間ほどの距離、そこまで遠いわけではありません。すぐにまた予定を組めるし、仕方がないと思っていました。

それでもK部長は「nanaちゃん、その日はお母さんとの約束の日だから仕事休みなさい。疲れも出てきているし、リフレッシュリフレッシュ。大丈夫、俺がちゃんと言っておくから。お母さん、きっと楽しみにしているよ。」と、疲れているのはK部長も同じなのに休みを取らせてくれたのです。

K部長自身が家族を大切にしているからこそ、このような配慮が出来るのだと本当に感心します。 自分自身も休めていないのに、部下の家族との約束を優先して休ませてくれる上司なんて他に見たことがありません。

自分が大切にしている家族という存在。だからこそ、部下にも同じように家族を大切にしてほしいのでしょう。それでもこの決断と行動はなかなか真似できるものではない気がします。K部長が周りから尊敬される理由が、ここまでのエピソードでよくわかっていただけたのではないでしょうか。

かっこいいK部長と上司のあるべき姿

K部長とわたしの関係は、わたしが警察官を退職したことをきっかけに途切れてしまったわけではありません。お互いのお誕生日には必ずお祝いの言葉を贈り合い、年末年始や節目の季節、またはふと気になった時に連絡を取り合ったり、旅行の写真を送り合ったりもしています。わたしが帰国する時には一緒に飲み屋さんへ行ったりもします。

そんな時にK部長の口からは必ず、大好きな奥さんとお子さんたちのお話を聞きます。とても幸せそうな優しい笑みからあたたかさが溢れています。上司部下という壁を超え、人間としてK部長を心から尊敬しています。この出会いには感謝しかありません。

K部長は、部下だけでなく上司からも尊敬されている人物です。そんなK部長が大切にしていること、それは「人を敬う気持ち」です。

家族と一緒に過ごしたい自分の気持ちと同じ気持ちを持つ人には、家族と過ごす時間を与えます。彼女が出来て嬉しそうな人には、彼女が喜びそうなプレゼントのアドバイスをして応援します。

尊敬される上司・・・ 仕事が出来ることはもちろんそうかもしれませんが、人を大切にする上司だからこそ、部下が「こんな上司についていきたい!」と言う気持ちが自然と湧いて出てくるのです。

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こういうエピソード、本当にいいですよね。

上司との関係がうまくいっていないと仕事は本当につらいですし、逆にいい上司に当たれば少々仕事がつらくてもがんばれたりします。

K部長のように素敵な上司がもっともっと増えればいいなと心から思います。ぼくもいい上司にならないとな。

今回寄稿してくださったnanaさんのブログは以下です。浜崎あゆみの話から警察官時代の経験談、海外生活など幅広く書かれている面白いブログですのでぜひ!

nanapekota.com

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