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Outward Matrix

戦略コンサルタントのブログ。コンサルティング業務、英語、戦略策定、採用、育成等について書いています。

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M&Aエキスパート試験でつまずきそうなところを全部まとめた

資格

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★厳選オススメ記事!

こんにちは、Shin(@Speedque01)です。M&A系の仕事があったので、ついでに軽めの資格を取っておこうと思い、M&Aエキスパート試験に手を出しました。

詳細はこちら。

www.nihon-ma.co.jp

株式会社きんざいと日本M&Aセンターが共同で実施する「事業承継・M&Aエキスパート試験」は、中堅・中小企業の事業承継をめぐる基本的な知識の検証を図るとともに、特に近年増えつつある中小企業M&Aについての理解度を測ることが本試験の目的です。

中小企業向けのM&Aに関する知識を確かめる試験で、コンサルティングファームがプロジェクトでやるような大企業への M&A支援とは若干趣が異なります。

とはいえ、せっかく実務でやったことの復習にもなるので、受けてみることにしました。

参考書は良くも悪くもとてもシンプル

この試験用の問題集はこちら。

実際の試験はこの問題集と同様の形式で出るため、M&Aエキスパート試験を受験するなら必須です。もちろんそのまま出るわけではなく、組み替えられてはいますが。

ただ、この問題集は良くも悪くもシンプルなんですよね。問題の下に解説があるのですが、とてもさらっとしていて用語の解説などもない。もちろん丸暗記することは可能ですが、それでは少しひねられたら回答できなくなってしまいます。

ですので、初学者がつまずきそうなポイントをまとめました。よければ参考にしてください。

第1章:中小企業の実態

つまずきポイントはないです。解説を見れば常識的にわかるはずなので割愛。

第2章:事業承継関連税制

特に相続や遺産関連の細かい知識が問われます。結構めんどうです。

民法の規定

  1. 被相続人に直系卑属(子どもや孫)と配偶者がいない場合は、父母のみが相続人となる
  2. 被相続人の子どもが相続人資格を失っている場合、さらにその(被相続人の孫)が代わりの相続人となる
  3. 法定相続人になれる養子の数に制限はない
  4. 被相続人の配偶者が常に相続人だが、それ以外では「子 -> 直系尊属 -> 兄弟姉妹」の順番
  5. 相続人の順位に、実施用紙、嫡出子と非嫡出子の差はない
  6. 兄弟姉妹の代襲相続人は、その子どもたち(相続人からみた甥、姪)のみ
  7. 遺産分割には特に期限はない
  8. 遺産分割協議には、共同相続人全員の参加と合意が必要となる
  9. 遺産分割協議書は、相続人全員の署名捺印が必要だが、一堂に会する必要はない
  10. 指定分割とは、遺言に寄り相続分の指定や分割方法の指定に基づき分割する方法
  11. 現物分割とは、財産の形状や性質を変更することなく分割する方法
  12. 換価分割とは、相続財産を処分して、その代金を分割する方法
  13. 代償分割とは、有る特定の者が相続財産を取得し、その代償として他の共同相続人に財産を支払う方法
  14. 共同相続人が代償分割で取得した代償財産には相続税が課される
  15. 相続開始を知ったときから3ヶ月以内に限定承認か放棄をしなかった場合、単純承認とみなされる
  16. 限定承認は相続を放棄したもの以外の共同相続人全員で行う必要がある
  17. 相続の放棄は各相続人が単独でできる
  18. 相続放棄するには、家庭裁判所に三ヶ月以内に伝える必要がある
  19. 相続の単純承認、限定承認、放棄は被相続人の生前にすることはできない

相続と税金

  1.  被相続人の死亡保険金のうち、相続人の保険料負担分に対応する金額は、所得税の課税対象となる
  2. 相続を放棄したものが取得した死亡保険金は、全額が相続税の課税対象となる
  3. 相続人が受け取る保険金は、500万円x法定相続人の数の金額が非課税となる
  4. 死亡後3年以内に至急が確定した退職金は相続税の課税対象となる
  5. 相続開始前3年以内に贈与取得した財産は、贈与時の時価により相続税の課税対象となる
  6. 公益事業を行う法人に寄附したものは相続税の非課税財産となる
  7. 弔慰金については、普通給与の6か月分相当までは相続税の課税対象とならない
  8. 遺言執行費用や相続税の申告手続き費用は債務控除の対象外となる
  9. 保証債務は債務控除対象外である
  10. 香典返礼費用、墓碑や墓地費用は債務控除対象外である
  11. 相続人が納付した被相続人にかかる所得税額は債務控除対象である
  12. 小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の適用を受ける場合、相続税額がゼロでも相続税申告は必要である
  13. 相続税の申告期限は、相続開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内であり、被相続人の死亡時の住所地を管轄する税務署長に提出する
  14. 物納できる財産は、日本国内にあるもののうち、抵当権付不動産など管理処分不適格財産以外のものである
  15. 相続税額が10万円を超え、かつ金銭での納付が難しい場合、申請によって最長20年の延納が可能

贈与と税金

  1. 法人から個人への贈与は、所得税・住民税が課される。贈与税は課されない。
  2. 生活費として贈与を受けたものでも、株式投資などに投資した場合は贈与税の課税対象となる
  3. 時価に比べて著しく低い価額で財産を譲り受けた場合、時価と対価の差額は贈与税の課税対象となる
  4. 債務弁済が困難となった場合に不要親族が代弁した場合は、贈与税の課税対象外
  5. いったん相続時精算課税制度を選択すると、その後の贈与について暦年課税制度へ変更することは出来ない
  6. 相続精算課税制度で生前贈与される財産の種類や金額、回数については特に制限はない
  7. 相続時精算課税制度を選択した場合、課税価格から累計2500万円の特別控除後の残額に一律20%をかける
  8. 相続時精算課税制度適用には、贈与があった年の1月1日現在で、贈与者の年齢が60歳以上、受贈者の年齢が20歳以上でなければならない
  9. 祖父母からの贈与についても相続時精算課税制度を適用できる
  10. 相続時精算課税制度は、父母ごとに選択可能である

相続税評価

  1. 宅地価額評価は、1区画の宅地ごとに実施する
  2. 正面路線価とは、評価対象宅地に接する道路の路線価に奥行価格補正率を乗じた後、一番高いものをさす
  3. 間口が狭い宅地である場合は、間口狭小補正率を用いる
  4. 居住用宅地を配偶者が相続した場合、特定居住用宅地等に分類される
  5. 小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例を受けるためには、相続後も居住と保有を継続する必要がある
  6. 事業規模に関わらず、貸付事業用宅地等は200㎡を限度に評価額の50%を減額できる
  7. 課税時期前3年以内に取得した土地は、課税時期の通常の取引価額で評価する
  8. 1株あたり純資産価額はm課税時期の発行済み株式総数で割って計算する
  9. 純資産価額は課税時期現在で仮決算して求めるのが原則だが、直前期末から課税時期までの間に著しい資産および負債増減がない場合、直前期末の資産および負債をもとに計算できる
  10. 1株あたりの年配当金額は、直前期末以前2年間の平均配当金額のうち、非経常的配当金は除いて計算する
  11. 1株あたりの年利益金額は、直前期末以前2年間の平均額と直前期末以前1年間の金額のうち、どちらかを選択できる
  12. 類似業種の株価は、課税時期の属する月以前3ヶ月間の各月および前年平均の類似業種の株価のうちいずれか低い金額となる
  13. 取引相場のない株式を配当還元方式により評価する場合、1株あたりの年配当金額を10%で割って計算する

譲渡にかかる税金

  1. 借入金利子のうち、事業所得などの必要経費に算入されたものを除いて土地や建物の取得費と出来る
  2. 取得費がわからない場合、譲渡収入金額の5%相当額を概算取得費とできる
  3. 建物の取得費は、取得に要した金額に設備費と改良費を加え、減価償却費相当額を差し引いたものとなる
  4. 相続にかかる取得費は、被相続人や贈与者が取得した際の取得費がそのまま引き継がれる
  5. 土地建物の維持管理のために要する費用は、取得費にも譲渡費用にもならない
  6. 土地を売却するための建物の取り壊し費用は譲渡費用になる
  7. 不動産譲渡後の譲渡代金を回収するための間接的費用は譲渡費用にならない
  8. 贈与によって取得した資産の取得の日は、贈与者が資産を取得した日となる
  9. 他から購入した資産の取得の日は、売買契約の効力発生の日を資産の取得の日とすることもできる
  10. 請負で建設をした資産の取得の日は、その資産の引渡しを受けた日であり、請負契約の効力発生の日とすることはできない

第3章:事業承継関連法制

金庫株制度

金庫株=自己株式のことですが、背景を細かく知っている人はなかなかいないでしょう。

金庫株は、「自己株式」とも呼ばれ、株主総会の決議に基づき、企業が発行した自己の株式(自社株)について、発行後にその企業自身が自社株を取得し、保有している株式のことをいいます。かつては、企業が自社株を取得できるのは、消却やストックオプションなど特定の目的の場合に限定されていましたが、2001年の商法改正で金庫株が解禁され、以後は機動的に自社株買いを行うことができるようになりました(今日では、会社法に規定されている)。

現在、金庫株では、実際に保有する自社株について、無期限かつ数量に制限なく保有が認められ、さらに取締役会の決議により、新株発行として再度放出することも、消却することも可能となっています。その一方で、意図的に株価をつり上げたりする相場操縦的行為の防止や取引の公正な確保などの観点から、自社株の買付けにあたっては、一日に注文できる数量や値段などについて明確なルールが設けられています。なお、金融商品取引法では、金庫株の取得や消却は、株価に影響を与える可能性があるため、インサイダー取引規制上の重要事実として規定されています。

一般に金庫株を企業が消却すると、発行済株式数が減少するため、一株当たりの利益や資産価値を向上させることができます。また、一株当たりの配当金の増加などが期待できるため、株価の下支え効果を期待することもできます。

金庫株とは|金融経済用語集

M&Aエキスパート試験で出そうな特徴は下記になります。

  1. 特定株主からの自己株式取得には特別決議が必要
  2. 自己株式は、BS上では純資産の部の株主資本項目に計上され、純資産の部の合計額から控除される
  3. 自己株式は議決権も配当を受け取る権利もない

種類株式

次は種類株式です。

種類株式(種類株)は、株式の権利内容が異なる株式のことをいいます。これは、配当の支払いや株主総会での議決権などに関し、普通株とは権利内容が異なる株式を指し、企業(株式会社)にとっては多様性のある資金調達を図ることが可能になっています。

現在、種類株には、議決権が制限される代わりに高い配当を受けられる「優先株」、配当や残余財産分配権などが制限されている「劣後株」、株主総会の決議を拒否できる「黄金株」など様々なタイプ(種類)があります。

種類株とは|金融経済用語集

M&Aエキスパート試験で出そうなポイントをまとめます。

  1. 種類株式発行には、その内容および発行数を定款に定めて登記する必要がある
  2. 優先株式は、株主の剰余金配当請求権および残余財産分配請求権について、他の株式に優先する。逆に、劣後株式は左記に対して劣後する。
  3. 黄金株(拒否権付株式)は、1株保有することで、経営上の最終決定権(取締役の選任や解任など)を留保できる
  4. 無議決権株式は議決権に制限はあるものの、評価額は普通株式と同様である。また、議決権がまったくない完全無議決権株式と、一部につき議決権を持たない議決権制限株式がある。
  5. 譲渡制限株式の譲渡を承認する機関は取締役会である。(株主総会ではない)

信託スキーム

信託スキームについてはシンプルにポイントだけまとめます。

  1. 遺言代用信託とは、委託者の死亡後に指定された者が受益者となるスキームである。
  2. 他益信託(生前贈与信託)は、委託者以外の者が受益者となるスキームである。
  3. 後継ぎ遺贈型受益者連続信託は、信託設定後30年経過した後の次の1代までのみ効力があるスキームである。

遺留分

遺留分(いりゅうぶん)とは、被相続人の兄弟姉妹以外の相続人に対して留保された相続財産の割合をいう。 被相続人の兄弟姉妹以外の相続人には相続開始とともに相続財産の一定割合を取得しうるという権利(遺留分権)が認められる(1028条)。

遺留分 - Wikipedia

これだけではわからないと思うので、All Aboutの解説を見てみましょう。

「どんな場合でも最低限もらえる割合が遺留分」と誤解している人が多いです。「遺留分」は一定の相続人が一定割合を相続できることを保障する制度ですが、あくまで遺言があることが前提です。

分かりやすくいえば、「遺言があって、かつ自分が相続できる割合がとても少なくても、最低限はもらえる割合」となります。ですので遺言がなかったり、遺産分割協議となったりした時点で、遺留分は関係ないことになります。

遺留分は「遺言があって自分の割合が少なくても、最低限もらえることが保障されている」のに間違いはありません。しかし、自動的にもらえるわけではないことに注意が必要です。

保障された割合に満たない分は、「遺留分減殺請求」をしなければなりません。また、遺留分減殺請求をする権利は「割合が少ないことを知った日から1年、知らなくとも相続開始から10年」で消滅してしまいます。この間に請求することが不可欠です。

ポイントをまとめます。

  1. 遺留分は相続人である配偶者、子どもおよびその代襲相続人、直系尊属に認められる
  2. 配偶者と直系尊属が相続人の場合、遺留分は被相続人の遺留分算定基礎財産の2分の1
  3. 遺留分算定基礎財産は、被相続人の総財産価額+贈与財産価額-総債務額である
  4. 遺留分を放棄しても、財産を相続する権利はある
  5. 遺留分は被相続人の兄弟姉妹には認められていない
  6. 相続人が被相続人の両親のみの場合、遺留分は各々6分の1
  7. 遺留分の減殺請求権行使は、その意思表示をするだけでよく、裁判をする必要はない
  8. 生前贈与財産を遺留分算定財産に算入する場合の価額は、原則として相続開始時点の評価額となる

非上場株式

上場株式についてはよくご存知かと思いますが、非上場株式について詳しい人はあまりいませんよね。ポイントのみまとめます。

  1. 「非上場株式等についての贈与税の納税猶予の特例」を受けるには、受贈者が贈与時に会社の代表者であること、贈与日現在で20歳以上であること、役員就任から継続して3年以上経過していること、同族関係者と合わせた議決権割合が50%を超えていること、同族関係者内の筆頭株式であること、などの条件がある
  2. 贈与税の納税猶予特例による猶予額は、贈与税の全額である
  3. 贈与税の納税猶予特例の対象となるのは、発行済み議決権株式等の総数等の3分の2に達するまでである
  4. 贈与税の納税猶予特例適用のためには、贈与者は会社の代表を退任していなければならない。(役員であってもよい)
  5. 贈与税の納税猶予特例適用には、経済産業大臣の事前確認は不要である
  6. 贈与税の納税猶予特例を受けた場合、適用年から5年間、毎年所轄税務署長に継続届出書を出さなければならない。5年経過後は、3年に1回となる
  7. 贈与者の死亡により贈与税の納税猶予特例を受けた場合、他の相続財産と合算して相続税が計算される
  8. 「非上場株式等についての相続税の納税猶予の特例」適用には、経済産業大臣の事前確認は不要である
  9. 相続税の納税猶予特例は、1つの会社について1人のみ適用可能である
  10. 相続税の納税猶予特例適用には、相続税の申告期限後5年間は株式を保有しなければならない。5年以内に株式を譲渡した場合、納税猶予税額の全額+利子税額を納税しなければならない。
  11. 相続税の納税猶予特例適用には、被相続人は承継会社の代表であった経験があればよい

第4章:事業承継に潜む問題点

ここは2章と3章の知識をベースとしたケーススタディです。2と3の知識が入っていれば十分に戦えるはず。割愛します。

第5章:事業承継コンサルティングと事業承継ビジネス

  1. 株式会社の定款の変更には、株主総会の特別決議が必要
  2. 不動産登記簿謄本(当期事項証明書)は、不動産の権利関係や物理的状況を示しており、誰でも入手することが出来る
  3. 法人税申告書の別表一は、法人税の課税所得金額や法人税額、同族会社の留保金などが記載されている
  4. 法人税申告書の別表二は、同族株主や持ち株数などが記載されている
  5. 法人税申告書の別表四は、所得の金額の計算に関する明細書である
  6. 法人税申告書の別表五(一)は利益積み立て金額および資本金等の額の計算に関する明細書で、五(二)は租税公課の納付状況に関する明細書である
  7. 会社分割の場合、労働契約承継法によって分割会社の労働者の保護が図られているが、事業譲渡の場合はこの法律の適用はない
  8. 法人契約の生命保険では、オーナーの死亡時の保険金を死亡退職金や自己株式の取得資金、事業保障資金に充当できる

第6章:中小企業M&Aの基礎知識

ここは本当に基礎なので割愛します。下手したら無勉でも満点取れるレベルの難易度です。

第7章:中小企業M&Aの会計・法務・税務

  1. 営業権の算定方法のうち、年買法は基準利益に一定の年数を乗じるシンプルな方法
  2. 超過収益還元法は、正常利益算出後に期待利益を控除した額を超過利益とみて、これを資本還元率で資本還元する方法
  3. 既存の会社が他の会社の株式の100%を保有する完全親会社となることを株式交換という
  4. 新設会社が完全親会社となることを株式移転という
  5. 株式交換時、株式に加えて金銭交付も可能
  6. 株式交換や株式移転時は、みなし配当課税は生じない
  7. 退職所得には税負担の軽減措置が取られているが、一定額以上になると税率が20%を超える
  8. 組織再編において、税制的確要件を満たせば簿価での資産移転が認められ、含み損益に対する課税はない
  9. 事業譲渡時、譲渡資産が課税資産に相当する場合、消費税が課される
  10. 適格合併を行った場合、繰越欠損金を引き継がない場合もある
  11. 内国法人が交付した対価が移転を受けた資産および負債の時価純資産科学を超えるとき、その超過分を資産調整勘定の金額という
  12. 非上場企業同士のM&Aであっても、会社の規模によって独占禁止法対象となる

第8章:中小企業M&Aの手順

こちらも基礎なので割愛します。

難易度は高くないが、細かい

ひとつひとつ理解しながら勉強すれば難しくはないですが、内容はだいぶ細かいです。興味がある方は受けてみると良いのではないでしょうか。