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Outward Matrix

戦略コンサルタントのブログ。コンサルティング業務、英語、戦略策定、採用、育成等について書いています。

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200万円以上の赤字事業から学んだ「根拠のない自信」の本当の恐ろしさ(寄稿)

寄稿

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★厳選オススメ記事!

こんにちは、Shin(@Speedque01)です。今日は新進気鋭の起業家、ぶんたさんから寄稿していただきました。リアルな実体験からの記事、とても面白いのでぜひどうぞ。

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こんにちは、起業家ブロガーのぶんた( @__BUNTA__ )です。普段はいつまでもアフタースクールというブログで頑張っています。頑張っているんです。すごく。

簡単に自己紹介をします。

3年前、高校卒業7日前に中退し、起業。今は中小企業のコンサルティングをメインに事業を行っています。

右も左もわからないゼロからの起業は本当に失敗だらけでしたが、行動力だけを武器に頑張ってきました。今も頑張っていますよ。すごく。

そんなわけで今回は「起業×実体験×失敗談」というテーマを頂いたのでそれに沿った内容を書いていきます。

WEB制作会社で取締役

ぼくは過去にWEB制作会社で取締役をやっていた時期があります。当時のぼくの一番大きな失敗談がこの記事です。
参考:18歳で起業したぼくが二度と起こさないと誓ったひとつの失敗

起業したてのぼくはその行動力を見込まれWEB制作会社の取締役を兼務することになります。と言っても社員の数も少なく、小さな会社でしたが毎日色んなアイディアが飛び交い躍進できるなと感じさせてくれる場所でした。

当時18歳のぼくは一回りも違う社員との交流に悪戦苦闘しながらも、「二番手」という位置をしっかりと築き上げていきました。

信じやすい性格だった

今でもあまり抜けていないかもしれませんが、起業したての頃は本当に信じやすい性格で、

「これ売れるよ!」

と言われれば

「そうなんですか!売ります!!」

って単純発想してしまうほどのレベルでした。こんなんでよく管理をやれていたなとは思いますが、必ずどんな事案にも対応策は立てておくタイプでした。思い切った行動には、最高の可能性、最悪の可能性はしっかり描いていたので上手くやれていたのかなという次第です。

しかしそんな対応力も、短期で予測できるものにしか発揮出来ないという欠点がありました。今回は当時のぼくの欠点が最大限発揮されてしまった失敗談です。

売れると思った高級家具

「この家具は売れるよ」

当時の取引先に某オークションサイトのアンティーク部門で売上げランキング上位の会社があったのですが、その会社から高級家具を売らないかと提案されたそうです。業界的に骨董系の知識が無ければ仕入れルートの確保もままならない商品だったので、これはチャンスと思ったみたいです。

というのがぼくが参画する半年ほど前の話。

社長はヤフオク、楽天での販売を視野に高級家具のネット販売ビジネスを開始しました。ぼくが入ったのはさらに別の家具も仕入れて新しい商品写真を撮っていた頃です。

事業の説明をされ「ああ、これすごく高く売れるんだなあ」と思いながら、ぼくは最初はその事業に触れませんでした。入りたての当時は営業の方がメインであまり社内に居なかったのも大きいです。

当然「社長はアイディアマンだ。社長が売れると言っているんだから売れるだろう」と信じたぼくはその「売れる」という点に対して深く掘り下げることをしませんでした。

さてこの家具は「いつ」「誰に」「どういった価値を与え」「売れていくのでしょうか」?

初めての仕入れ

家具販売の事業にはあまり関わっていなかったぼくですが、毎月数点の商品が売れているのは知っています。金額もある程度大きいので、そこまで多く売れていなくとも利益は出ているものだろうと思っていました。

参画して3ヶ月ほど経った頃「仕入れにいくから一緒に来ないか?」と社長に声をかけられました。ぼくらの会社には外部のアドバイザーの方が1人いたのですが、その方にも「暴走しない程度に一緒に見てきな」と言われたので、ぼくも同行し京都のバイヤーの元へ向かうことに。

車の中でこの事業の成り立ちを聞きながら「こんなに素晴らしい商品が仕入れられるなんてやっぱりすごいな」とひとり感慨に耽っていました。

材質は黒檀がメイン。日本では仏壇などに使われる木材ですね。加工が難しく、精巧な家具を買おうとするとかなりの金額になるのですが、海外の職人さんとのツテがあり、比較的安く仕入れが出来るのです。

現場に着くと流暢な日本語を話すバイヤーさんを目前に社長はガンガン交渉をし、家具を買っていきます。帰る頃には相当な量の数になり、帰りの車で今回の仕入れの交渉テクニックや値引き方法などを教えてもらいました。起業したてのぼくには勉強できることだらけです。ぼくは感動しながらメモを取り、ガンガン吸収していきました。

交渉上手という優越感を社長は買った

「なんでこんな量仕入れてきたんだ...」

そう言われました。東京に帰るなりアドバイザーの方に真っ先に指摘されました。

「いや、でもこれはすごく値引きできて!社長は本当交渉が上手くて!」

ちょうどその時はぼく1人しかいなかったので必死に社長を立てて説明をしました。良かれと思ってやっていたことがアドバイザーの方を物凄く落胆させていました。

「在庫状況は確認したのか?こんな量仕入れて売り先はどうする?それに撮影や他の出品作業も含めたら莫大な時間を....」

そのあともアドバイザーの方にこっぴどく叱られました。あれ?もしかして社長の判断は間違っていたのか?

「別に交渉が上手いわけじゃない。交渉が上手いのはこれだけ買わせたバイヤーの方だ。社長は『交渉上手っていう優越感』を買わされたんだよ」

何も知らぬまま一緒に付いていったぼくはここでやっと気づきました。歯止めを利かすためにぼくも一緒に同行させたのか。と。

業績に愕然。高級家具が売れない理由

ぼくはこの一件から責任を感じ、こちらの事業もしっかりと関わって管理することにしました。この辺りから徐々にぼくは社内の管理サイドに回り、社長が営業に徹する形になりました。

早速状況把握に取り掛かろうと、過去データを引っ張り上げて目を通したぼくは愕然とします。なんだこれ、思いっきり赤字じゃん。

アドバイザーの方の言うとおり、仕入れの量が多すぎます。在庫もかなり抱えていて、過去に特注した商品なんてかなりの金額がかかっているのに2,3点しか売れていません。意味のないSALE企画もあり、ただの安売りと化していました。値段の付け方もまばらでひどい商品なんて粗利が10%しかありません。

「...これ考えたの誰ですか?」

ぼくは恐る恐るこのプロジェクトに関わっていた社員の方たちに聞きました。

「俺たちみんなで案出しながらだけど。社長も目通してくれてるし自由にやっていいよって」

ぼくはここでやっと理解しました。このプロジェクトに関わっていた社員さんたちはそれぞれに専門分野のプロではあります。デザイン、コーディング。ライター。

しかし販売のプロや営業、戦略構築に向いているメンバーは1人もいません。しかも本来の業務の片手間での事業です。管理も販売戦略もずさんでこれじゃ素人がいきなり始めたネットショップの方が売れるのではと思うほど。そもそもの采配ミスです。

この時点で200万円以上の赤字。そして大量の不良在庫。

「一旦ぼくに管理させてください。ぼくが見ます」

何ができるかはわかりませんでしたが、とりあえず現状よりは回復させられるだろうとぼくが一括管理することにしました。

改善策は「やめること」

この時からマーケティングやマネジメントの本を貪るように読み、ネットの情報をかき集め死に物狂いで勉強しました。

ぼくの肌感覚でも売れないと感じた内容は見事に悪いケースにハマっていました。リスク管理を始めExcelの表に落としてみてもこのやり方では回収までどれだけかかるかわかりません。

ぼくはまず思い切って全ての商品を出品取り下げにしました。そもそもの販売価格の付け方がおかしすぎます。「安くすれば物は売れるだろう」そんな感覚で付けたのが見え見えでした。

ネットショップ運営のプロがいない状態での継続は厳しく感じ、翌月には苦労して開設したネットショップを全て停止し、地場営業での販売に切り替えました。

ここからはぼくの泥臭い営業が始まります。デザイナーズオフィスの建築会社やネットショップオーナー、旅館などへの営業を開始。また、WEB制作の仕事で繋がったクライアントへもどうにかして卸せる先が無いか探し出すことにしました。在庫を抱えている商品はショーウィンドウなどに月額で貸し出したりしてとにかく不良在庫を捌くことに重きを置きました。

結果としてある程度の在庫は捌けたのですが...正直、事業として続けるには余りにも畑違いであると判断しました。

深く入り込めば入り込むほど、家具や骨董の知識が必要になり効果的な営業が出来なかったためです。学習コストを考えると、現状の人員でリソースは割けないし、ぼくらはWEB屋であり家具屋ではありません。メインの事業を疎かにせずに切り抜くことを考えるとこちらの事業はやめざるを得ませんでした。

「一から携わった人は愛着があるかもしれませんが事業として成り立たせるには余りにも労力を割き過ぎます。売れると思うじゃなくて、売るんです。希望的観測は止めてもう売るのをやめましょう」

まだ数十点の不良在庫を抱えたまま、この事業はストップ。ぼくの言葉に残念がる人はいましたが、反対意見を言う人は1人もいませんでした。数字が明るみになり、状況が視覚化され、やっと事業化出来ていないことが全員に知れ渡ったのです。

ぼくが学んだ失敗を生んだ原因

ぼくがこの1件から学んだのは根拠のない自信の恐ろしさです。一連の流れの中での共通意識は「たぶん売れるだろう」という根拠のない自信です。

よく根拠のない自信を持つ人が推されている話は耳にします。しかし、全ての根拠のない自信が良いわけではないとぼくは思っています。「根拠がないなら後付でもいいから作る!」そのくらいの心意気で挑むことで根拠のない自信は目的の実現へと昇華するのです。

いつまでもなんとかなるだろうという思い込みだけでは何も変わりません。「なんとかなる」のではなく「なんとかする」。そうでなくては希望的観測の沼にどっぷりと浸かってしまう。目的の実現なんて夢のまた夢ですね。

というわけで今回の失敗談は以上です。みなさんも根拠のない自信には気をつけて、しっかりと見極めた行動をとってみてください。

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高校卒業7日前に中退し、自分で事業を立ち上げて大活躍している起業家のリアルな失敗談でした。

ぶんたさんはガチな事業から二度見せざるを得ないぶっ飛んだことまで、非常に幅広く活動されています。彼を見ていると、「ぼくもぬるぬるやっていないでもっとがんばらないといけないな・・・」と改めて気合が入りますね。

根拠のない自信というモノは、どうしても一歩踏み出せないときなどには必要となるものです。が、普段からそんなものを信じてはいけません。

「どうしたらそれができるのか」「なぜそれが良いといえるのか」などなど常に自問自答し、「これならどうやったっていけるだろ」というところまで考え尽くし、行動に移すという姿勢が大事なのでしょうね。

行動と思考のバランスをとりつつ、彼のように年や学歴などぶち抜いて活躍していきたいものです。

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