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Outward Matrix

戦略コンサルタントのブログ。コンサルティング業務、英語、戦略策定、採用、育成等について書いています。

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ドナルド・トランプの正体とは。「熱狂の王 ドナルド・トランプ」を読んでみた

社会

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★厳選オススメ記事!

こんにちは、Shin(@Speedque01)です。トランプ大統領がマジで誕生しましたね。

彼はビジネスパーソンとしては非常にタフで尊敬に値する人だと考えています。
参考:トランプ氏の名言やキャリア論が普通に良くてワロタ - Outward Matrix

しかし、政治家としてはどうなのでしょう。トランプ本として非常に評価が高い、「熱狂の王 ドナルド・トランプ」を読んでみました。

「王になれ」といわれて育った幼少期

また、子どもたちには、非情なまでの競争心と闘争心を持てと教えた。ドナルドには、お前は「食う側」 になり、「王」になるのだと言い聞かせた。そして、将来の王にふさわしく、運転手付きの大型リムジンで新聞配達の仕事をさせた。

ドナルドが口喧嘩の絶えない、いじめっ子体質で暴力的な少年になったのも当然かもしれない。

ドナルド・トランプの父フレデリックは、非常に厳格かつ狡猾な人物であったようです。人に圧力をかけ、勝つためには手段を選ばないようなタイプ。

そんな父親に、ドナルド・トランプは育てられました。「お前は食う側だ」「王になるんだ」、そのような言葉を常に聞かせられながら。

こういう言葉を常に反芻し続けたのも、今の彼の強力なキャラクターを形作った一因なのかもしれません。

俳優の道を夢想したフォーダム大学時代

NYMAを卒業すると、ドナルドはブロンクスのフォーダム大学に進学した。軍人風に振る舞い、酒もたばこも拒み、ましてやアメリカの大学に急速に広がり始めていた麻薬にも手を出さずにいることで、周囲とは一線を画した(彼はその後の人生を通じて、19世紀後半の禁酒活動家のように、酒を飲まないことを誇りにしている)。

非行的な態度といえば、演劇や映画の道に進むのを夢想するくらいがせいぜいだった。とはいえ、当時のブロードウェイとハリウッドは、50年代の幸福と60年代の苦悩のはざまにとらわれていた。

創作への情熱よりも、富と伝統的な成功への意欲のほうがはるかに勝っていた彼にとって、映画や演劇はあまりに移ろいやすく、商売でのキャリアのほうがずっと魅力的だった。

一般的なイメージだと、タバコや酒をガンガンやってそうなイメージがありますが、実は彼はそういうものとは距離を置いていました。これは結構意外ですね。

女性問題やセクハラ発言がたくさんある彼ですから、麻薬やタバコ、酒もやばそうなイメージを勝手に抱いていました。すみません。

そして、彼は俳優になりたいという夢も抱いていたようです。今は太目のおじさんですが、若い頃は普通にかっこいいですしね。今の激しいスピーチからすると、もしかしたら面白い俳優になったのかもしれません。

トランプのボディーガード兼運転手の話

彼に雇われた仕事は、警察署に求人がきていた。市から解雇された警官のためにつくった仕事だったんだ。私はブロンクス43管区で仮採用されたばかりで、それで解雇された。

ブルックリンのトランプ社のオフィスに言って面接を受けたよ。ほかに7人くらいいた。順番を待って、それから彼に面接されて、運転は警察学校でクラス一番だったと言った。本当に一番だったよ。

それから、路上テスト。タイムは自分が一番よくて、ミスも一番少なかった。それに、空手をやっていたのも気に入られた。それで採用されたんだ。 給料は警察と同じだけもらえて、夜間の超過勤務の分も含まれていた。彼はいつも外出したから夜勤は多かったけど、自分は独身だったし、合っていたんだ。結婚したら結婚式に来てくれて、好意ですてきなプレゼントをくれた。

それから、妻が妊娠した時、医療制度に登録していない医者を選んだら、月給くらいする費用を払ってくれた。赤ん坊が生まれたら車のベビーシートを買ってくれて、それで家に連れて帰ったよ。

彼はやさしくて、よくしてもらったとしか言いようがない。忠誠心は求められたけど、同じだけの誠意を返してくれた。警察に戻るチャンスが来たときには、難しい決断だった。彼のところで働くのが好きだったからね。

後になって、みんなが彼を悪く言い始めても、私には理解できなかった。私が知っている彼は本当にいい人なんだ。

上記は、ドナルド・トランプのボディーガード兼運転手の生の声です。これを読んでみると、「仕事には厳しいが部下想いの非常に良い上司」という人物像が浮かび上がってきますね。

勝手な想像ですが、トランプは「のし上がるためには人望が必要である」という事実をしっかりと把握していたのではないでしょうか。もちろん激しい言説で耳目を引くこともしますが、周りにいる人たちには誠心誠意接し、サポートしてもらうための下地を作っていたのではないでしょうか。

彼の周りの人からの評価が必ずしも低くないことを鑑みると、やはり彼はビジネスパーソンとして一流になる素質を備えているように感じます。

トランプタワー建設

1983年に、ドナルド・トランプは「トランプ・タワー」をニューヨークに建設しました。

バーバラ・レスの見積もりによれば、トランプ・タワーの部屋を買った客の約半数が外国人だ。残りは企業や、ポップ歌手、ハリウッドのセレブたちが多く、その中にはマイケル・ジャクソンやスティーブン・スピルバーグなどもいた。

「キング・オブ・ポップ」を含め、トランプ・タワーを買った多くの有名人たちと関係ができたことは、ドナルドにとって計り知れない価値があった。金が入っただけでなく、彼らが放つ輝きを浴びて、ドナルド自身の価値も高まったように感じたのだ。

トランプ・タワーが完売した後、彼は、どんなプロジェクトでも、自分の名前を冠することで価値が上がると言い始める(この「トランプ効果」によって、開発プロジェクトの価値は全体として25%から50%、さらには100%かさ上げされると言うこともあった)。

「有名であることが持つ力」を常に心の中に感じていたドナルドは、有名になることにそれまでの倍の力を注ぐようになった。

ディベロッパーとしてどんどん成功していったドナルド・トランプ。ニューヨークの一等地に「トランプ・タワー」を建設するまでになります。

部屋の購入者たちが半端ないですね。マイケル・ジャクソンやスティーブン・スピルバーグというこれ以上ないほどのセレブたちとの関係を構築することも出来、トランプはさらに力を増していきます。

その強引な手法で批判されることもありますが、この手腕はやはりすごい。ニューヨークのみならず、アメリカ全土にその影響力を広めていきます。

大統領選への出馬理由は自らの存在肯定?

そんなトランプですが、なぜ彼は大統領選に出馬したのでしょう。このままビジネスを続けていってもよさそうなものですが・・・。

実際、トランプのメッセージはややこしく、聴衆は自分で言葉を補って、彼の言わんとしていることを考えなければならない。たとえば、国境に壁をつくるというが、その費用をどうやってメキシコに請求するのか。だが、それはトランプにとっては大した問題ではないようだった。

また、妊娠中絶の権利を擁護する側から熱心な中絶禁止派に立場を変えたことも、トランプにとって重要ではなかった。皆保険賛成派から、オバマ大統領の下での医療改革反対へと主張を変えたことも同様だ。彼にとって本当に重要なのは、ドイツとスコットランドの祖先から授かった生まれつきの能力を自分自身が信じていることなのだ。

共和党の候補指名を勝ち取るために5000万ドルなり1億ドルなりを費やさなければならないとしても、彼ほどの資産家にとってはさほど贅沢とは言えない道楽だ。

たとえ負けても、ディベートに参加して国中をめぐることで、トランプはさらにそこから活力を得て、自分の生き方を肯定することだろう。

「熱狂の王 ドナルド・トランプ」著者のマイケル・ダントニオによると、彼の本質は異常なまでのナルシシズムであり、トランプ・タワーよりも栄誉があるホワイトハウスに移り住むことが彼の真の目的ではないか、とのことでした。

確かに、彼の発言内容やプレゼンテーションスタイルを見ると、「自分を誇示したい」という印象を非常に強く受けます。彼の政策のひとつひとつについて細かく調べてはいませんが、もしそれらに整合性がないのであれば、「自分を誇示したい」という出馬理由は正しいのかもしれません。

個人的には、政治家は「世界を良くする」という善き思想のもとで政治を執り行って欲しいのですが、果たしてトランプはどうなのでしょうね。

「熱狂の王 ドナルド・トランプ」は綿密な取材に基づいている良本

「熱狂の王 ドナルド・トランプ」は、3年もの年月をかけて作られた非常に濃い本です。ドナルド・トランプがいったいどのようなバックグラウンドを持っているのか、どういう思想を有しているのか、深く理解したい人にはオススメです!

次はこの記事をどうぞ:トランプの何がそんなにイヤなのか、アメリカ人に聞いてみた - Outward Matrix