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Outward Matrix

戦略コンサルタントのブログ。コンサルティング業務、英語、戦略策定、採用、育成等について書いています。

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転職すべきか留まるべきか?悩めるアラサーのキャリア相談にガチで答えてみた

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★厳選オススメ記事!

こんにちは、Shin(@Speedque01)です。今日は、読者の方から頂いたキャリアの悩みについてお答えしていこうと思います。今回で4回目ですね。

募集記事はこちら。

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過去の相談記事はこちら。

「将来が不安」という大学生の悩みに真剣に回答してみた - Outward Matrix

「自分の軸」探しは今すぐにやめよう - Outward Matrix

コンサル志望者からの質問に本気で答えてみた - Outward Matrix

では、いってみましょうか。

転職か?そのままか?に悩む相談者

下記、質問内容になります。

【略歴】

  • 私立文系(経済学部)卒
  • 新卒で規模60名の金属加工業に入社(ものづくりの営業志望)
  • 3年間、製造部で現場修行@本社(関西)
  • 4年目から営業部(希望通り)へ
  • 4年目の途中で東京転勤(名目上は栄転)
  • 転職:樹脂加工業の営業に(規模300人程度、大手メーカーの子会社)
  • 休職:4か月半ほどで体調を崩し半年間の休職(症状はストレス性、うつ症状)
  • 工場にて復職:技術系の職場です(工業高校卒や、理系大学出身者が多いです)

【今の悩み】
正直なところ、工場での技術系より、文系職種(営業や管理系)にいきたいです。一刻も早く転職すべきでしょうか。体調面を考慮し、現状で慣れてから異動希望などで今の会社で転属すべきでしょうか。
現在、転職サイトに登録し、求人を探しております。思うような転職先が見つからずにおり、悶々とした考えの中で時間が過ぎています。
いま30歳を目の前にして、思い切って転職できる最後のチャンスとも考えていますが、年収が下がることも懸念しております。

【今の会社に残りたいと思う理由】
会社自体の環境面、待遇面は満足しています。環境面は、残業時間が以前と比べて少ないこと(以前は80時間~100時間を超えることも)
現在は多くて40時間程度です。休日出勤が月に1度ほどあるので、多くてトータル50時間程度。
待遇面は、30歳にしては少ない年収(400万程度)かもしれませんが、ボーナスもあり、正社員という立ち位置で仕事がやらせてもらえていることもあり、教育を受けられますし、満足しています。
上司との関係も良好で、職場の同僚や先輩も良いチームでやらせてもらえています。

【今の会社を辞めたいと思う理由】
苦手なこと、という意識で仕事を進めてしまっています。工業高校卒の若手の社員の方々と、どうにも意見や話が合わず、コミュニケーションが取れません。
自分が変なプライドがあるのか、偏見を持っているのか、なんで自分はここにいるんだろう、という意識が抜けません。いまの会社ではキャリアの限界が見えてしまっています。
休職をしたという経験を大変重んじる風潮のある会社で、おそらく仕事にて相当な成果を見せても、管理職へ上がることには支障が出ると思います。よくても係長や部下なしの管理職など。
高校時代に留学経験があり、英語が好きです。(TOEICは800点程度ですが)
30歳であれば、留学経験がなくても仕事で英語を使っている方がいて、目立たないレベルの英語のスコアしか出せたことがありませんが、やはり全体でみると相対的には得意な方であると思うので、活用できるような仕事をしたいと思っています。

【キャリアの目標や、仕事観、お金の面】
大学生のころに考えたつもりでしたが、自分がいったい何をしたいのか、未だに迷走しています。大手志向であることは間違いなく、いまの会社も大手の子会社であることから選びました。
仕事観ですが、ハードワークをしたいという気持ちよりは、お金が少なくても自由な時間が欲しいという考え方です。それでも、プライドが高く、成長をしたいという欲はあり、困ったものです。

【絶対お答えがいただきたいこと】
2回目の転職、GOでしょうか?STAYでしょうか?

またまた非常に濃い相談を頂きました。パッと答えるのが難しいので、転職についてのぼくの所感を書き、その後お答えすることといたしましょう。

キャリアは「いい偶然」によって形成される

下記の記事でも書きましたが、仕事をするにあたり、「自分は何がしたいか?」「何が得意か?」などを意識しすぎることはあまりお勧めしません。

www.outward-matrix.com

先ほど読了した本で、山口周氏の「天職は寝て待て」という本がありましたが、こちらの解説が非常に素晴らしかったです。相談者の方にもぜひ読んで欲しい。

彼は、それまでの研究から、キャリア・カウンセリングの目標は「現在、クライアントが持っている興味・価値・能力にマッチした職業を見つけてあげることではなく、変化し続ける仕事環境において満足のいく人生を作り出していけるようにスキル・興味・信念・価値・職業習慣・個人特性に関する学習を促進させること」であると述べています。
また、従来のキャリア・カウンセリングでは、職業未決定は問題行動として取り上げられてきたけれども、学習理論の立場に立てば、未決定は新しい学習が促進される契機になりうる、としています。
加えて、特性論や類型論のような、個人の特性と職業の特性の一致を重視しすぎる考え方は、同じ職業においても様々な特性を持つ人が成功しうること、職業が求める特性自体も変化し続けることを見逃してしまうとして批判しています。

平たく言えば、クランボルツは、キャリアの開発は職業要件と人材要件を引き合わせてマッチさせるといった静的なものではなく、もっと変化に充ちたダイナミックなものだという考え方をしていたわけです。

計画された偶発性理論=プランド・ハプンスタンス・セオリーは、これらの論考を背景に生まれています。クランボルツによれば、我々のキャリアは用意周到に計画できるものではなく、予期できない偶発的な出来事によって決定されます。  

上記で、プランドハプンスタンスが非常にわかりやすく解説されています。

ぼくたちはいつも転職を考えるときに、「自分にはどんな仕事があっているのだろう」と考えてしまいますが、実はそれは正しいプロセスではない。そうではなく、「満足いく仕事をできるに値するだけのマインドセット、能力、人間性をつけつつ、たびたびふってくる好機に備える」というのがぼくたちがすべきことなのです。

今回の質問者さんは非常にちゃんとした人ですが、転職相談をしてくれる人のなかには、「ああ、この人はどこにいっても苦労するんだろうな・・・」という感想を持たざるを得ない人がいます。端的に言うと、「周りの環境に文句をいいつつ、自分自身を変える意思がない人」ですね。そういう人は、どんなホワイト企業に転職しようが、幸せになることはないでしょう。

さて、ではもう少し議論を深めてみましょう。「満足いく仕事をできるに値するマインドセット、能力、人間性」とは、具体的に何なのでしょうか?

「満足いく仕事」を引き寄せる5つのファクター

  1. 好奇心=自分の専門分野だけでなく、いろいろな分野に視野を広げ、関心を持つことでキャリアの機会が増える
  2. 粘り強さ=最初はうまくいかなくても粘り強く続けることで、偶然の出来事、出会いが起こり、新たな展開の可能性が増える
  3. 柔軟性=状況は常に変化する。一度決めたことでも状況に応じて柔軟に対応することでチャンスをつかむことができる
  4. 楽観性=意に沿わない異動や逆境なども、自分が成長する機会になるかもしれないとポジティブに捉えることでキャリアを広げられる
  5. リスクテーク=未知なことへのチャレンジには、失敗やうまくいかないことが起きるのは当たり前。積極的にリスクをとることでチャンスを得られる 

ぼく自身や周りの人を見ていても、仕事に満足している人ほど上記の5要素を満たしている割合が高いと感じます。

  • 自分の専門以外のところにもどんどん興味を持ち(好奇心)
  • うまくいかなくても、へこまず腐らずうまく行く方法を考え(粘り強さ)
  • 最初に決めた方針に固執しすぎず柔軟にアプローチを変え(柔軟性)
  • 逆境を「成長の機会」としてポジティブに捉え(楽観性)
  • 新しいチャレンジにも嬉々として取り組む(リスクテーク)

そういう人が、「満足のいく仕事」を引き寄せることができる、ぼくはそう考えています。

「転職か?現職か?」ではなく、満足のいく仕事をするための力をつけることを目標に据えよう

と、いろいろ話してきましたが、ぼくの回答は「自分自身に問う質問を変えましょう」です。

おそらく、転職しようが現職で転属しようが、今のモヤモヤとした考えから解き放たれることはないでしょう。そうではなく、まずは先ほど挙げたような5要素を徹底的に磨き上げることが先なのではないでしょうか。

なので、結論としては「今のままの仕事で、徹底的に『満足する仕事』を引き寄せるに値する力をつけよう」となると考えています。幸いなことに、人間関係には恵まれていらっしゃいますし、仕事自体もハードすぎるわけでもない。いくらでも上記の5要素を磨くリソースはあるのではないかと考えています。

ぼくが相談者さんだったらこうする

もしぼくが相談者さんの立場になったとしたら何をするか、箇条書きで考えてみました。

  • 今の技術系の仕事で徹底的に勉強する、そしてそれを周りの人に共有する
  • 内部で勉強会とか開いてもいいかも。また、その技術に詳しい先輩や同期と話して、共同でそういうものを開くのも楽しそう
  • 単純に勉強していてもつまらないので、仕事で得た知識をブログとかにどんどんアウトプットする
  • 英語がある程度得意なのだったら、それについても目標設定する(TOEIC900点でも、IELTS7.0でも)
  • 英語に関しても他の人と交流する場を持つ。Meetupとかでいくらでもそういう場所はあるし、英会話カフェでもいいかもしれない
  • 営業や管理系の仕事をしている社内の人と話してみる。得てしてそういう人たちは、「技術系の人たちはもっとこういう仕事の進め方をすべきだ」という意見を持っているもの。そこの意見を取り入れ、技術系の仕事の中でも、文系職的な仕事の要素を取り入れてみる
  • 外部の転職エージェントたちと会い、どのような人が転職市場で求められているか明確に理解する
  • 意見が合わないことがあったら、「なぜ意見が合わないか」「どうすれば円滑にコミュニケーションが取れるようになるか」「そのためには自分は何をしなければいけないか」と徹底的に考え、実行する。どんなチームでも結果を出せる人間にならなければ、リーダーとはみなされない

こんなかんじですかね。

つらつらと回答しましたが、参考になることを願っています。