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Outward Matrix

戦略コンサルタントのブログ。コンサルティング業務、英語、戦略策定、採用、育成等について書いています。

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コンサルタントは本当に会社を滅ぼすか、現役コンサルタントが考えてみた

社会

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★厳選オススメ記事!

こんにちは、Shinです。人気ブロガーのフミコフミオ氏が、コンサルタントの所業について語った記事を拝見しました。

delete-all.hatenablog.com

コンサルタントの悪行についてはこの本も有名ですね。

さて、フミコフミオ氏の記事に登場したコンサルタントについて考えてみます。

そもそも業務内容が一般的に想定されるコンサルタントと違う

フミコフミオ氏の記事から一部引用します。

テキスト中心の内容をイラストや写真中心へと刷新。集客用のブログの設置。会社経歴から都合の悪い記述を削除。フェイスブックページの開設。様々な目新しくもないアイデアがぶち上げられた。

フミコフミオ氏の会社にいらっしゃったこのコンサルタントは、名刺には「Webマーケティングコンサルタント」とか書いていたのではないかと推察します。コンサルタントにはいろんな種類がありますし、名乗るのに資格は要らないですから別に断罪するようなことではありません。ですが、一般的に「コンサルタント」として市民権を得ているのは、「戦略(経営)コンサルタント」「業務改善コンサルタント」「システムコンサルタント」ぐらいではないかというのがぼくの印象です。

イマイチ市民権を得られていないWebマーケティングコンサルタントの出来がよくなかったからといって、全体を「使えない」と断ずるのは違うかなと。

一番大事な「相談に乗る」ことが全然できていない

コンサルタントの語源である「consult」は、「相談する」という意味です。コンサルタントは、自分の専門分野に関してクライアントに相談され、問題点を抽出、分析の後にしかるべき策を立案し、それをクライアントに提供する仕事をしています。その視点で見ると、フミコフミオ氏のところを訪問したコンサルタント(コンサルさん)は、まったくconsultできていないことがわかります。

コンサルさんは何か凄そうなキャリアを一方的に話し終えると、いきなり「御社のトータルソリューションをアピールする攻めのホームページを作りましょう」と言った。大きなお世話である。こちとら人不足で現にある仕事を回すのが精一杯、むしろトータルソリューションされたいくらいなのである。

自分のキャリアを話すのはまあいいでしょう。自分がいかに信頼に値するか相手にアピールするのはそれなりに大事なことです。しかしながら、次がよくない。相手の実情も聞かず、「攻めのホームページを作りましょう」といわれても、クライアントからすれば「???」ですね。フミコフミオ氏が仰るとおり、完全に大きなお世話なのです。コンサルさんがすべきだったのは、何はさておきクライアントの現状を整理し、要望を聞くことです。

  • 今の食品市場の状況はこうなっていて、あなたの会社の位置づけはこうだと考えています。その認識に間違いはないでしょうか?
  • 去年のIRを拝見しましたが、去年と今の戦略の違いがもしあれば教えていただけませんか?
  • 出されていた財務諸表を拝見し、簡単に課題を整理してきました。思い当たる節があればぜひ教えていただけませんか?
  • もし他に現在困っていること等あれば、教えていただくことは可能ですか?
  • 社内用の戦略立案資料、競合分析資料、顧客分析資料等あれば提供いただいてもよろしいでしょうか?

最初の訪問であれば、こんなかんじで相互にコミュニケーションを図り、相手の課題を可能な限り明確にするべく努力すべきです。コンサルさんはIT周り担当ですので、もう少し話がシステム寄りになるかもしれませんが、それでも業務内容を置いてけぼりにしていきなりサイト構築の提案というのは、さすがにお粗末といわざるを得ません。

「いきなり提案」という愚行

もうひとつだけ突っ込ませてください。それは、クライアントの情報が全然ないにもかかわらず適当な提案をブチかましたことです。

結局2時間の打ち合わせで決定したのは社長をモデルにしたアメーバピグを作ることだけだった。追い討ちをかけるようにコンサルさんは「では今日まとめあげたプランを貴社とお付き合いのある業者さんに持ち込んでみてください」とだけ言い、請求書を置いて帰っていった。なんて気楽な商売なのだろうか。こうして2時間もの貴重な時間が無駄に消えたのである。

クライアントの情報もわからないまま、何かを提案することはありえません。もちろん事前に競合や市場、顧客の情報から何らかの仮説を立て、仮の提案を持っておくことは非常に重要です。が、クライアント固有の内部情報を把握することなしに提案することは、コンサルタントとしてやってはいけないことのひとつです。

どんな会社にも共通する処方箋なんてものは存在せず、いかなるときでもその会社固有の情報を集め、仮説を立て、検証し、その結果搾り出したアウトプットを提案としてまとめるのがコンサルタントの仕事です。それができていなければ、確かにコンサルタントは会社を滅ぼすでしょう。

確かにこのコンサルタントの言うことを聞いていたら滅ぶかもね

結論から言うと、このコンサルタントの言うことを鵜呑みにしていたら会社は滅ぶでしょう。が、そもそもこの方(コンサルさん)がまともにコンサルタントとしての教育を受けているかははなはだ疑問ですし、この経験を元に「コンサルタントは会社を滅ぼす!」とするのは違う気がします。本物のコンサルタントがどういうふうに働いているかはこの記事に書いたので、よければどうぞ。

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