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Outward Matrix

戦略コンサルタントのブログ。コンサルティング業務、英語、戦略策定、採用、育成等について書いています。

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最適なキャリアパス?そんなものはこの世の中に存在しないよ

キャリア

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★厳選オススメ記事!

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目を覚ましましょう。

 意識の高い学生の質問の中でも、「ファーストキャリアはどうすべきでしょうか?コンサルでしょうか、外銀でしょうか、商社でしょうか、ベンチャーでしょうか?」というのは頻出中の頻出です。

「そのようなところに最初に行くこと=ビジネスパーソンとしての成功第一ステップ」とみなしているのでしょう。経験豊かな社会人のみなさまは、どのようにお答えなさるでしょうか。

典型的な的外れ質問

これ、そもそも質問が不適切すぎるのです。「好きなようにしてください」を見ながら考えていきます。

まずは、具体的に質問を見てみましょう。こちらです。

都内の大学に通う22歳です。ずばり先生にお聞きしたいのは、経営者になるためには、どのようなキャリアパスを歩むのが一番、成功の確率が高いか、です。

これまで、井深大、本田宗一郎といった日本の起業家や、ジョブズ、ザッカ―バーグ、ベゾスといった世界の起業家の本を読みあさり、彼らのような経営者になりたいと強く思うようになりました。まだいまは、「特にこれをしたい」という事業領域はないのですが、とにかく経営者になりたいと思っています。

経営者に至る道はさまざまだと思いますし、そもそも才能がないとダメだとは思います。そして、私に才能があるかはわかりません。私のように、経営者になりたいけれど、何をしたいかまだ固まっていない人間は、どんな企業や分野から、ビジネスマンとしての修行を始めるのがいいでしょうか?

典型的過ぎて笑ってしまうぐらいの"意識の高い学生"の質問です。

もちろん、有名な起業家たちの本を読むこと自体はとてもいいことですし、彼らに憧れてカッコいい経営者になりたいと思うのも別にいい。ただ、この質問者はなぜ経営者になりたいか、理由は明確なのでしょうか。なぜ、彼らのようになりたいのでしょうか。また、なぜ彼らは"経営者"として名を馳せることができたのでしょうか。

偉大な経営者が偉大な経営者たるのは、「いい仕事をして成果を出してきた」から

経営者は「こういうサービス/製品を届けることで、世の中にいいインパクトを与えたい」と強い想いをもとに会社を興し、日夜奮闘しているのです。その結果、それがうまくいって"偉大な経営者"として名を馳せるようになる。経営者になりたい、という理由で偉大な経営者になる人はいません。

経営者になりたい、と思いながらやっている経営者の会社、半年と持たずに潰れる気がします。

本当に優れた仕事をして認められている人は、みんな最初のところで自分以外の誰かのためになろうと思って仕事をしている。僕にしても、ある時にこの当たり前の原理原則に遅ればせながら気づかされたのです。「ああ、そうか。これって仕事じゃないな。どうやったら自分以外の誰かの役に少しでも立てるんだろう」と思うようになった。そこからだんだん仕事になっていくわけです。

 質問者は、「どうしたらかっこいい経営者になって皆から認められるか、たくさん稼げるか」ということしか考えておらず、「こういう仕事をして、他の人の役に立ちたい」というまっとうな仕事に対する欲求を持っていない。おそらく、こうやって"自分"にしか考えが向いていない人は、すぐに大きな挫折を経験することになるでしょう。

キャリアパスに「最短距離」はあり得ない。まずは結果を出すこと

ということで、「ぼくを幸せにしてくれるようなキャリアはなんだろう」という質問に対する答えは、「目を覚ましてきちんと仕事で成果を出しなさい = 人の役に立てる人間になりなさい」です。それを積み重ねていく途上で、いろいろチャンスが与えられ、いつの日か"偉大な経営者"として名を馳せることができるかもしれません。

大事なのは物事の順番です。まずは、その時に自分が与えられた仕事で結果を出す。それがみんなのためになり、頼りにされるようになる。この「頼りにされる」というのが仕事の非常に重要な基準です。この繰り返しで実績を積み重ねた結果、「こいつは仕事ができるなあ、頼りになるなあ」と期待され信頼されて、より大きなチャンスが与えられていくわけです。

 学生時代の自分に言い聞かせたい

いかがでしたでしょうか。

仕事の原則をわかっている人とわかっていない人で、ありえないほど大きな差がつくであろうことは、火を見るより明らかです。

正直学生時代の自分にこの原則が理解できていたかというと、おそらく答えはNoです。「自分を伸ばしたい、鍛えたい」という目的のまま、コンサルティングファームを志望していました。できれば学生時代の自分に、「仕事は人の役に立つという目的にのみあるんだよ」と教えてあげたいですが、まあ今言語化できたのでよしとしましょう。

「好きなようにしてください」、名著なのでぜひ。